以下の記事では厳しい指摘をされてますが、
インテリジェンスなんて学ぶ機会がないからわからないんです。
よってCGSでインテリジェンスの番組を作ることにしました。
年明けには配信していきたいと思います!
2014.10.28 07:00更新 産経
【日本千思万考】
中国・朝鮮半島との屈辱外交…GHQに骨抜きにされた平和ボケ政官民は“世界の常識”に目覚めよ
尖閣諸島海域を警戒、監視する海上自衛隊第5航空群(那覇航空基地)の哨戒機P3Cによる編隊飛行。中国の度重なる無法行為に、日本は手をこまぬいていてはならない=東シナ海(松本健吾撮影)
昨年8月7日、魚釣島周辺で領海侵犯した中国の「海警」(中央)と、警戒に当たる海保の巡視船、ボート(仲間均市議提供)
護国の殿堂とされる戦争博物館で、竹島(島根県隠岐の島町)の写真を背景に記念撮影する家族連れ=ソウル市(阿比留瑠比)
水素爆発で激しい損傷を受けた福島第1原発。原子炉建屋上部が大破しているのは3号機(右から2つ目)=福島県大熊町(代表撮影)
地下鉄サリン事件で有毒ガスにより倒れ、路上で手当てを受ける乗客ら=平成7年年3月20日、東京都中央区築地
◆危機は崇高なリーダーを生む
20世紀までの有事は主として軍事戦争、21世紀はもっぱら経済・情報戦争といわれます。
フランス第18代大統領、シャルル・ド・ゴールが残した言葉「歴史が危機に遭うと、それを制御し統率できるリーダーを生み出す」を想起するまでもなく、確かに世界史は「有事」が崇高なリーダーを多く輩出しております。イギリスのチャーチルは歴史観、国家観と高い教養に根ざした洞察力において、同時代のルーズベルト(米国)、スターリン(ソ連)、毛沢東(中国)らに比しても、卓越したリーダーだったと思います。
南北戦争を制し合衆国統一と奴隷解放を成し、それによって英仏干渉の排除を成し遂げたリンカーンも世界史の生んだスーパーリーダーです。欧州最有力国家となった今日のドイツも、冷戦終結時のヘルメット・コール(当時西独の首相)の大局観、歴史哲学認識に基づく指導力が生んだ再統一に起因します。ちなみに「政治同盟なき通貨同盟は空中楼閣だ」とユーロ危機を予言したのも、ドイツが誇る教養人コールでした。
◆平和ボケがリーダーシップなきリーダーを生んだ?
日本でも国際秩序が大変動した幕末には、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通、伊藤博文らの志士が見事に明治維新を成し遂げ、外圧を乗り越えています。当時の武士は文武両有の教養人だったので、インテリジェンス能力にも長けており、世界列強に伍していけたのだと考えられます。
しかしながら、大正から昭和にかけて文官と武官が専門化・乖離をするようになってからの日本は、総合的教養力と機密情報力の欠如から外交の失敗を重ね、ついに敗戦への道をたどることになってしまいました。
ただ敗戦後の「危機の時代」は、戦後のリーダーは教養人が占め、「吉田茂」外交で復興を遂げ、「池田勇人・佐藤栄作」政治が経済成長を生み、中曽根康弘首相までは、世界の羨望の的となるほどの国力回復を遂げることができました。
ところが、平和ボケか、自民党・小泉純一郎政権以降、特に民主党の鳩山由紀夫・菅直人・野田佳彦…と続いた面々は、まるでリーダーシップの反面教師ばかりで、国際外交の舞台にも上げてもらえず、世界レベルで見ても突出して低い教養力と人心掌握力で日本の国益を損なってきました。
これでは、国際外交のプレーヤーは務まりません。第二次安倍政権は、第一次政権時代の失敗を生かして、これまで無難にこなしてきましたが、ここへ来て改造内閣において、女性議員の閣僚登用で少し詰めの甘さを露呈してしまったようで、今後の政権運営がやや気がかりです。安倍首相には一層の奮起を促し、政治家が私淑するほど強くて教養のあるリーダーになってほしいと思います。
◆GHQ“骨抜き教育”が平和ボケ政官民を大量生産した
幕末から明治にかけては、啓蒙家、佐藤一斎、吉田松陰、福沢諭吉、西周、岡倉天心、渋沢栄一らが世界に向けた視座で日本を教導し、いずれも国家国民への強いご意見番となりました。
戦後は、仏文の小林秀雄、英文の福田恒存、独文の竹山道雄や、知の巨人梅棹忠夫、東洋哲学の安岡正篤、財界ご意見番の土光敏夫、政治学の高坂正堯らが、社会と政治のリーダー層に決定的影響力を与えてきました。
現世にも、大前研一、渡部昇一、竹村健一、堺屋太一の“四ピン(一)”カルテット陣をはじめ、中西輝政、岡崎久彦、佐々淳行ら、多くの学識教養人がいます。彼らが鋭い国益論を展開しているにもかかわらず、政官界が聞く耳を持たないのが残念でなりません。
その要因は、戦後占領時代、GHQによって伝統精神を骨抜きにされた「平和憲法」「教育改革」などに由来する「愛国心欠乏の平和ボケ政官民」を多数輩出してしまった歴史的現実にあると思われます。すなわち、危機対応能力を欠き、有事に備える心構えも体制もないまま、自助、共助、公助の何たるかさえも喪失してしまったのです。
そのため、災害多発国としての国土強靭化・防衛策を怠り、阪神淡路大震災、東日本大震災・原発事故被害を極小化できず、北朝鮮拉致被害多発もオウム真理教暴走も止められず、対外的には、尖閣諸島、北方領土、竹島への度重なる侵入・不法占拠を許し、米中露や南北朝鮮との屈辱外交から抜け出せない悲哀を味わっているわけです。
◆やられ放題の「国際無法地帯」
日本には、機密情報戦争を勝ち抜く武器たる「インテリジェンス機構」の本格的な確立もなければ「スパイ防止法」もありませんから、ある種の「国際無法地帯」と甘く見られているようです。
中曽根内閣は真剣にこの問題と取り組みましたが、立法寸前に市民人権派団体、組合、左派政治家
やマスコミなどの蒙昧な反対で、廃案にされてしまったままです。国内治安の警察と海外情報機関だけあって「諜報機関」「スパイ防止法」がないため、国民もスパイの怖さや威力には無防備、無知であるどころか、スパイを見分ける術もなく、「親切な外国人だ」と何でもしゃべり、金や誘惑に負けて極秘情報まで与えてしまってきたのです。
中国、韓国の各有力産業の技術レベルが、あまりにも早く日本に追いついた裏には、機密情報漏洩が多発していたことが最近やっと分かってきたようです。戦後内閣がこれまで成し得なかった「特定秘密保護法」を第二次安倍内閣が、やっと通して、きたる12月にはいよいよ施行の筋道が立っている情勢下、これからの情報戦争、防諜管理には、期待したいものです。ようやく普通の国並みへと歩みだそうとしているところでもあり、今こそ、「騙すより、騙される方が悪い」という国際的常識に目覚め、国家を挙げて情報戦略を強化してもらいたいと思っております。
◆日本に必要なリーダーとインテリジェンス
インテリジェンス(Intelligence)には、人的公安・諜報活動のヒューミント(HUMINT)、暗号信号解読のシギント(SIGINT)、ITを使うテキント、映像活用のイミント(IMINT)などがあります。いずれもカウンターインテリジェンス(counterintelligence ,防諜)のバックアップを備えた国家枢密最高機構であって、制度と文化の鬩ぎ合いのもと、宇宙にまでまたがる「静かなる国家間闘争」であると自覚すべきでしょう。
日本再生に欠かせないのが、インテリジェンス強化です。それには、日本人が「インフォメーション」も「インテリジェンス」も同じ「情報」の一語で括るエラーを廃し、後者こそが「生き残るために必須の機密情報や智恵=叡智」であることを認識し、日本国が外交ゲームに勝ち「国家としての生存を確保するため」、急ぎエリートやリーダーを育成する事が最も大切だと考える次第です。(上田和男)
上田和男(こうだ・かずお)
昭和14(1939)年、兵庫県淡路島生まれ。37年、慶応大経済学部卒業後、住友金属工業(鋼管部門)に入社。米シラキュース経営大学院(MBA)に留学後、45年に大手電子部品メーカー、TDKに転職。米国支社総支配人としてカセット世界一達成に貢献し、57年、同社の米ウォールストリート上場を支援した。その後、ジョンソン常務などを経て、平成8年(1996)カナダへ亘り、住宅製造販売会社の社長を勤め、25年7月に引退、帰国。現在、コンサルティング会社、EKKの特別顧問。
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