日々の活動やニュースに対する考え、視察の報告などをブログにまとめています。

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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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ニューヨーク視察(平成30年11月19〜26日)

最近の動向, 視察・研修報告 |

今回は、ニューヨーク生まれで、トップバンカーとして活躍された
酒井レオさんに案内いただき、6年ぶりにニューヨークを訪問しました。

一番の目的は世界の金融の中心地で、今何が起きているかを皆さんと体験することでした。

また今回は、サンクスギビングを挟むことで、ブラックフライデーや
サイバーマンデーといったアメリカ人の消費行動を観察することも目的としました。

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初日は、ニューヨークに進出してきた「いきなりステーキ」を訪問し
ニューヨークにおけるビジネスのツボをお聞きし、

夜はユダヤ人の会計士の方に、ニューヨークに進出するためのネットワーク構築について話を聞きました。

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2日目は、ウォール街を歩き、新しく生まれ変わったワールドトレードセンターを訪問し、
現地で会社を経営する日本人の方にニューヨークにおける日本人コミュニティーの実態についてお聞きしました。

午後はブルックリン橋を歩いて渡り、ブルックリンを探索。
治安の悪かった地域がだいぶ変化していました。

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さらに夜はトランプ大統領のペントハウスがある5番街のトランプタワーを見学し、
16歳から事業を始め、三回の倒産を経験されつつ、
ニューヨークの中心でビジネスをされている大富豪のSさんと会食。

日本の停滞の根幹に教育の問題があることで意気投合し、
アントレプレナーシップについて話をしていただきました。

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3日目は国連訪問。

私は2回目の訪問だったので、いろいろ聞いてみました。

「日本政府は敵国条項の削除を要求しているんですか」

→ 日本代表部に聞いてください

「平和、平和といいながら常任理事国が一番核実験や戦争をし、
武器輸出をしている現実に国連内部では矛盾を訴えないんですか」

→ 大きな目的は次の世界大戦を起こさないことなので、、、

「だから日本の敵国条項は外れないんですね」

→ 設立当初よりはだいぶ良くなったんです。

「どのあたりが?」

→ 人権保障などが改善されました

「発展途上国などには融資を条件に女性差別の解消を訴えますが、
サウジアラビアなどには強く言いませんよね?」

→ イスラムの国には、その国の価値がありますし、国連に強い拘束力はないので、、、

と、こんなやりとりでした。

参加者に大学生もいるので、日本人特有の国連信奉は打ち消して
世界の矛盾とリアリティを感じてもらえたらと思いました。

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左の大きな円が世界の軍事費

右の方が国連の予算や平和維持活動費になります。

これが世界の現実なんです。

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4日目は、サンクスギビングの祭日。

日本の新嘗祭と同じ時期にアメリカでも同じ趣旨の祭日があることを改めて認識。

聞いてはいましたが、本当にマンハッタンから人がいなくなっていました。

パレードも見てきましたが、今年のメインの見世物がドラゴンボールの孫悟空でした。
ピカチュウもいましたし、日本のソフトパワーはニューヨークでも健在でした。

今回のサンクスギビングは、寒波で日中から氷点下でしたが、
おかげでかなり空いた船で自由の女神を訪問できました。

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午後には、ニューヨークで45年ビジネスをされる日本人に
ニューヨーク経済やメディアとユダヤ人の関係についてお聞きし、
日本人の海外での強みが歴史の中で培われた道徳規範であることを強く教えていただきました。

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5日目は、サンクスギビング明けのブラックフライデー。

いわゆるアメリカ一斉の大バーゲンセールの1日です。

深夜12時からスタートし、百貨店も一日中オープンです。

しかし、写真で見てたような奪い合いはなく、日本の福袋商戦になんとなく類似性を感じました。

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6日目は、チャイナタウンの見学からスタート。

2回目の訪問でしたが、チャイナタウンがリトルイタリーにも侵食し、
映画ゴッドファーザーの面影はなくなっていました。

米中の関係の悪化で、今後アメリカ国内における中国人コミュニティーの盛衰が気になるところでした。

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午後は、芸術鑑賞ということでメトロポリタン美術館を訪問しました。

ワンストップでいろいろなものが観れるの有難いのですが、
これらの美術品はどうやって集められたかを考えると問題も感じました。

実際にこんなニュースもあります。

「モアイ像返して」イースター島知事が涙で訴え
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/11/post-11358.php?fbclid=IwAR39ieIEyMDrYUgzfuRkVYmeRWVPnEV8I6s_YH8eLJHT7Raju1lxlPXotFc

日本には、メトロポリタンや、英博物館、ルーブル美術館、エルミタージュ美術館のような
施設はないけれど、それが日本らしくていいとも思いました。

また、上記のこうした立派な博物館でも日本の展示は凄くしょぼいんです。

つまり日本人はまだ先人の財産をそれほど奪われてはいないということです。

我々はそれを誇りにしてこれからも国や文化を守っていきたいですね。

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7日目は、ハーレム地区に行き、午前中はゴスペルを堪能。

映画でみたことしかなかったので生で聞いて感動しましたが、

こうして黒人の方々が教会でゴスペルを歌わねばならなくなった
歴史を調べると悲しい気持ちになります。

奴隷が人間として扱われるためにキリスト教を信仰したんです。

そしてそこからキング牧師らが生まれて公民権運動につながります。

まだほんの50年ほど前の話です。

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ゴスペルの後は、ハーレムを歩いてアポロシアターなどを見学。
教会のゴスペルから見出された若い才能が花を開かせた黒人音楽の伝道です。

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さらに足を伸ばして、ニューヨーク一番のコロンビア大学にも行きました。
留学生の中国人をつかまえてインタビューすると、学ぶ目的をちゃんと持ってました。

アメリカの大学の学費は日本の比にならないほど高い。
それもあってか日本の留学生はほとんどアメリカに行かなくなっています。

中国人留学生に聞いても、韓国人はパラパラいるが日本人はほとんど見ないと、、、

日本にくる外国人に奨学金をばらまくくらいなら、日本の優秀な学生にお金を渡して、
アメリカで人脈を作ることをやらせた方が、私は有益だと思います。

皆さんはどう感じられます?
世界の金融の中心で日本人の存在感が薄れているんですよ。

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最終日は、満員電車に乗ってサンクスギビング明けのウォール街と
チェルシー地区を歩いてきました。

満員電車では、ニューヨーカーもスマホでゲームです。みんなやられてますね。

また、東京の満員電車より秩序がありました。
寿司詰にはされないですし、降りる時は皆さんちゃんと声を出しております。
日本のように何も言わずに身体をぶつけて降りる人は見ませんでした。

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チェルシーでは倉庫跡地を改装した市場や
鉄道の高架を利用した公園【ハイライン】を探索しました。

作りは日本より雑でしたが、デザインやアイデアは上をいってました。

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このほか、ニューヨークのショービジネスを知ろうということで、

ブロードウェイでオペラ座の怪人
オフブロードウェイではブルーマン
クリスマスショー
NBA観戦
ジャズコンサート

などにも足を運びましたが、、、
ジャズ以外はどれも日本の倍の価格です。

では質が倍かと言うとそうではありません。
日本のショービジネスも負けてないレベルだと思いました。
しかし、価格は半分。

これが失われた30年なんだと、
私以外のメンバーも痛感したと思います。

ランチは最低でも2000〜3000円
夜はそこそこの店なら8000〜10000円です。

飛ぶようにお金が無くなる

と言っていた参加者がいて、みんなで苦笑いでした。

今回は視察予定がいろいろキャンセルになり、
参加者の方には迷惑をかけてしまって、反省の多い視察でした。

しかし、キーマンの方々から日本の教育の問題や
ニューヨークにおけるユダヤ人のビジネスの仕方をしっかり聞けたことは大きな収穫でした。

そして、何より参加者の皆さんに
日本の失われた30年を体感して貰えたのが一番よかったかと思います。

効率よく生きるなら、ニューヨークで稼いで日本で使うのが一番いいですね。

インバウンドで外国人が日本に来ているのは、日本が安く買い叩けるからです。
ホテルも食も風俗も日本は安い。

日本しか見てない人はそれがわかっていない。

また移民をたくさん入れて、もっと安い国にしていくようです。

水道事業や土地、企業もどんどん金で売っていくのでしょう。

そんな日本の未来を感じたアメリカ視察でした。

悔しいですね。

ただ、私は諦めていません。

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