私は昔から侍たちの辞世の歌をよむのが好きでした。
坂本龍馬
世の人は我を何とも言わば言え
我なす事は我のみぞ知る
*正確には辞世ではない
吉田松陰
身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも
留め置かまし 大和魂
そして以下のような特攻队の方の遗书にある辞世に出会います。
特攻隊 林海軍大尉
一億の人を救ふはこの道と
母をもおきて君は征きけり
辞世とは、死を覚悟して最後に詠む和歌です。
そこには、その人の生き様が表れます。
和歌は有名なところでは古くは万葉集から、例に挙げた特攻隊の遺書まで、日本人が、自然の美しさや愛する人への気持ち、時には自分の志を31文字で表してきた日本の大切な文化です。
しかし、現代にはちゃんと継承されていない。
日本の文化を大切にしよう!という私自身もしっかり学び詠むことはせずに今日に至ります。
しかし今年、黒田清久さんにお会いし、
和歌の指導をしておられることを聞きました。
黒田氏は、明治天皇や大正天皇に和歌の指導をされた黒田清綱の曾孫にあたられ、3歳から家で和歌を詠まれていたような方です。
こんなご縁を頂けたということは、
学びなさいという啓示だと考え、勉強会をスタートしました。
初日は和歌とはどんなものかというお話を非常にわかりやすく教えていただきました。
紀貫之が書いた
古今和歌集 仮名序
やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける。
世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふことを、
見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。
花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。
力をも入れずして天地を動かし、
目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、
男女の中をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは歌なり。
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漢文が中心となりつつあった当時にあって、大和ことばでつくる和歌の大切さを説明した名文です。
国語の時間に聞いたことはあるけれど、ちゃんとした意味は教えてもらっていませんでした。
英語教育が声高に叫ばれる現代にあって、
千年の時を超えて、先人の思いやい知恵を学びたいものです。
和歌を詠むことの習慣化のコツをきいたので、毎日コツコツやっていきます!