二日間かけて福島に行ってきました。
今回のベースはいわき市。
生まれて初めての訪問でしたので、個人的にコースにはないスパリゾートハワイアンズに連れて行ってもらいました。
皆さんは【フラガール】という映画を見られたことはありますか?
私は結構好きな映画で、一度舞台の施設を見てみたかったのです。
実際に行って見て、その規模と事業の先見性に驚きました。
炭坑閉鎖からの新規事業で、内陸にハワイアンリゾートをつくるなんてことは、私にもできません。
発案者中村氏がご存命なら、どんな震災復興を考えられたでしょうか。
1番良かったのは、施設の資料館ですね。地域の歴史がわかりました。
今回は1時間ほど見るだけだったので、またプライベートでゆっくり来たいと思います。
午後は龍馬プロジェクトのメンバーといよいよ福島第一原発へ。
まずJビレッジでレクチャーを受けてから、警戒区域に入り、原発へ。
今回は3回目の施設で、ほぼ三年ぶりに入りましたが、原発内部の様子が変わっていて驚きました。
まず、入るにあたり装備はマスクと手袋だけ。スーツを着込んだ前回からするとものスゴイ違いです。
それだけ内部の除染が進んだんですね。
緊急対策本部の見学と原発の見学を合わせて約90分。被曝量は0.1ミリシーベルトでした。
また、地表から水が染み込むのを防ぐためフェージングが進められ、土が見えないようになってました。
さらに、敷地内には汚染水を保管しておく、タンクが山のように並んでいました。
有害物質を除去してもトリチウムだけは処理できないようで、放出できないそうです。
トリチウムは他の放射性核種に比べて多くの量が、世界各国の原発や核燃料サイクル施設から海域に放出されています。その理由は技術的・コスト的に濃縮や分離が困難なためと、トリチウムの人体影響が他の核種に比べて非常に小さいため、とのことです。
韓国なんかは日本海に垂れ流しとか(>_<)
しかし、福島では風評被害もあるので、放出はしないとのことでした。
ところで皆さんは、福島原発の汚染水ってなんでできるかご存知でしたか?
ルートは二つあり、一つは原子炉の冷却の際、放射性物質が混ざってしまう、もう一つは雨などの地下水が、原子炉に流れ混むんですね。
冷却水に関しては、処理をしながら循環させているとのことでしたが、本当に100%処理できているかは視察だけでは確認しようがありません。
地下水については、原子炉に流れこまないように、井戸で汲み出すのと、地中にガスを入れて、氷の壁をつくり、原子炉に入らないようにするそうです。
現在の対策と合わせて、何パーセントの汚染水をカバーできるかを質問しましたが、やはり100%は難しいような回答でした。
タンクの増設も無制限ではないでしょう。
復興に向けて、だいぶ原発施設の整備は進んでいましたが、見えないところはまだまだたくさんの問題がありそうでした。
一方で、原発施設で働く皆さんの表情は以前よりも和らいでいて、東電の皆さんの受け入れは素晴らしく丁寧でした。
7000人といわれる従事者の皆さんの半分が地元の方々です。
本当にリスクのある作業を引き受けて下さる皆さんには頭が下がります。
メディアでは東電への批判が目立ちますが、現場で働く皆さんへの応援は大切なことではないでしょうか?
視察対応頂く皆さんは、言いたくても言えないこともあると思います。
しかし、与えられたミッションに誠意をもって取り組もうという気持ちは、視察していてヒシヒシと伝わりました。
視察最後にナンバー2の方から、
「これからも何度も足を運んで欲しい」という訴えがあり、胸に響きました。
非難や避難をするだけでなく、国家の問題として、関心を失わないことが、まず我々にできる最低限の協力かと思います。
まだまだ30年以上かかると言われる福島の廃炉。定期的に訪問し、現状把握と、発信をしていきたいと思います。
また、原発視察のあとは、地元の方々と意見交換をしました。
一番の課題は過度な風評被害だそうです。安全検査を通ったものでも福島のものは避けらると。
観光にも来てもらえないと。
私も原発のある町で生まれ育ち、風評被害の辛さはよくわかります。
あと、住民の健康被害も何かとりわけ出ているわけではないとのことでした。
他県より綿密に調査した結果、比較して多くの患者が出ているとのことで、住民は原発や放射性物質への知識がかなりついて、心がけはしっかりできているので、一部メディアで言われるような被害ではないと。
また、震災後死にたいだった建築業が潤っいるという話もありました。
ただ、期間限定の需要なので、設備投資や正規の人材雇用にはあまり繋がっていないようです。
私個人としては、除染の方法は変えるべきだと思っています。
あれは莫大な土建利権だと思っているからです。
漠然となんとかなると思っていた方々が、自分たちの行動でまちや未来を作らねばと考えだしたと!
被災は辛いことであったが、これをチャンスにして、世界からも力を借りて福島をよい地域にしたいという意見をきけたことが収穫でした。
一方、見舞金をもらい続けて、ダメになっていく人もたくさんいるとのことでした。麻薬ですね。
2日目の締めは、防潮堤を見学してきました。
50キロあるいわき市の海岸線のうち15キロに防潮堤を作るというんですから、私からするとクレイジーな政策です。
地元の方々の総意は尊重したいと思いますが、人間が自然をコントロールしようという傲慢さは次の災いに繋がる予感がします。
海が見えなくなった、海辺の町に住みたいとは私は思えない。
自然と共生する道を選びます。
お金の力で、おかしな復興政策になっていいるような気がします。
議員の立場のない私が偉そうなことをいうと感じられるかもしれませんが、
私ならこうする!という意見の表明なのでご容赦下さい。
私は国政を目指した経験がありますから、日本全体のことや国益を考えています。
しかし、有権者の皆さんの多くは、個人や地域の利益を考えて投票します。
政治家もそれを考えて、行動しますから、なかなか全体最適の政策にならないんだと感じます。
個人や地域の利益を追求することは、否定しません。
しかし、国益や国全体の政治も考えておかないと、私達自身が問題の当事者になる時、困ることがあると思うのです。
様々な学びのある二日間でした。
企画頂いた吉田さん、ご協力頂いた皆さん、本当にありがとうございました。