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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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グランドストラテジー(大戦略)と坂本龍馬

プライベート |

 

CGSでもお世話になった奥山先生のメルマガで北野氏のメルマガが紹介されていましたので、さらにそれを紹介します。

以下に書かれていることは、「大戦略」の大切さと坂本龍馬の業績です。

まさに私の想いをそのまま書いてくださったような気がしたのでうれしくなりました。

私の会社の名前は株式会社グランドストラテジー(大戦略)です。

(実はこの会社名は奥山先生の本を読んでつけました。)

そして、私が立ち上げた政治団体が「龍馬プロジェクト」です。

「なんで龍馬だ!」とさんざん言われてきましたが、

船中八策をつくった坂本龍馬の構想力と行動力に倣おうとしたわけです。

以下のメルマガを読んでいただくと、

私の政治にかける思いも分かっていただけそうな気がします。

奥山先生や北野氏のメルマガもまたお読みください!

ダウンロード

 

ここ数年読んだ中で、とてもインパクトが強かったのが、

●世界を変えたいなら一度”武器”を捨ててしまおう
奥山真司(詳細は→ http://tinyurl.com/blfnv9j )です。

著者の奥山真司先生は、RPEに時々登場しますね。
私は、「この人は再臨の諸葛孔明だ」と確信しています。
(●奥山先生のすごい無料メルマガはこちら。↓
http://www.mag2.com/m/0000110606.html )

そして、「安倍総理も奥山先生を外交顧問にすれば、すべてうまく
いくのに」と思います。
さて、奥山先生は、「戦略の階層」という話をしておられます。

戦略の階層とは何でしょうか?
上から順番に、
1、世界観 2、政策 3、大戦略
4、軍事戦略 5、作戦 6、戦術 7、技術

この中で、日本人がもっとも重視するのは、「技術」ですね。
第2次大戦の話でも、「ゼロ戦は強かった」とか、「戦艦大和はすご
かった」とか、そういう話になる。

ところが、日本には「大戦略」が全然なかった。
前にも書きましたが、陸軍は「ソ連が仮想敵ナンバーワンだ!」と
いい、海軍は「アメリカが仮想敵ナンバーワンだ!」と主張していた。

技術力はあっても、大戦略が全然ないので、負けるのは当然です。
戦略の階層、下の部分にこだわって負けた、第2次大戦。
一方で、見事困難を乗り切ったのが明治維新でした。
全世界のほとんどが欧米列強の植民地だった時代。
日本は、アジアでほとんど唯一(他にはタイ)独立を維持す
ることに成功した。

そして、明治維新で大きな役割を果たした坂本龍馬。
彼の人生を見ると、「戦略の階層の上のレベルがいかに大事
か?」が理解できます。

▼坂本龍馬の業績
日本史上最大の偉人といえば、坂本龍馬。
その短い生涯の中で、本当に驚くべき業績を残しました。

1、勝海舟とともに、「神戸海軍塾」をつくった(1863年)
2、日本初の株式会社・亀山社中(後、海援隊)をつくった
(1865年)
3、薩長同盟を成し遂げる (1866年)
4、維新後の日本が進むべき道を明確に示す「船中八策」を
つくる (1867年(
5、大政奉還を成し遂げる(1867年)

本当にすごいことです。
もう少し詳しく見てみましょう。

▼大局を見据えた「大戦略」
当時の日本は、「イギリスの植民地になるか?」「フランスの殖民
地になるか?」の瀬戸際でした。
それで、「日本の独立をいかに守るか?」が最大の課題だったので
す。
これに関して、三つの意見がありました。

1、尊皇攘夷
前半分の「尊王」は、「徳川将軍より天皇を尊びましょう」とい
うこと。
後半の「攘夷」とは、「無礼な外国人は追っ払え!」ということ。
きわめてもっともな論ですが、問題は、「どうすれば黒船艦隊をも
つ欧米列強を追い払うことができるか?」
現実的方法がなかったこと。

2、開国佐幕
前半の開国はわかりますね。
「鎖国をやめて、国を開きましょう」と。
後半の佐幕は、「幕府を助けましょう」。
これは幕府自身の方針でした。
好きで開国したわけではなく、ペリーに脅されて、いやいやした
のです。

3、開国→黒船大艦隊創設
これが、勝海舟と坂本龍馬の「大戦略」。
つまり、
・開国して、金をドンドン儲けるぜよ
・儲けた金で、ドンドン黒船を買うか、自前で作るぜよ
・日本に黒船大艦隊があれば、欧米列強は日本を植民地にでき
なくなるぜよ
とまあ、とても壮大な計画なのです。

勝海舟と龍馬は、このプラン実現に真剣にとりくみました。
それで、「神戸海軍塾」を立ち上げたのです。
しかし、幕府は約1年半後、「海軍塾閉鎖」を決めました。
塾の中に、「反幕府的な人たち」が多数いたからです。
龍馬は、このとき、「幕府を中心に日本を守るのは不可能だ」と
判断しました。
それで、「大戦略」を変更したのです。

それが、「薩摩藩と長州藩を同盟させることで、幕府を倒す」と
いうものでした。
そして、龍馬は成し遂げます。
しかし、薩長同盟がなると、龍馬はまたもや戦略をかえました。
「徳川将軍から、政治の大権(大政)をとりあげ、天皇に返還させよう」と。(=大政奉還)

なぜ龍馬は、これを主張したのでしょうか?
「薩長と幕府が全面戦争をはじめれば、日本全体の国力は弱まる。
弱くなった日本は、イギリスかフランスの植民地になるだろう」

龍馬以外の人々は、「倒幕」のことしか考えていなかった。
ところが龍馬は、「あくまで日本の独立を守るための倒幕だ。
なるべく犠牲を出さず、日本の国力を守ったまま幕府を倒して方が
いい」と考えた。
つまり、一段上から、大局見ていたのです。
龍馬は、「大政奉還」も成し遂げました。

▼日本を近代化させた、「船中八策」
日本には、「維新の英傑」とか「維新の英雄」と呼ばれる人た
ちがたくさんいます。
しかし、龍馬以外の英雄たちの主な関心事は、「倒幕」でした。
その後の政体まで考えている人は、龍馬しかいなかったのです。
さて、「戦略の階層」で「大戦略」の上にある「政策」。

龍馬は、船中八策で明確にしています。

その内容は、
1、 大政奉還(政権を幕府から天皇に返す)
2、上下両院の設置による議会政治
3、有能な人材の政治への登用
4、 不平等条約の改定
5、 憲法制定
6、海軍力の増強
7、御親兵の設置
8、金銀の交換レートの変更

この船中八策は、「五箇条の御誓文」などに引き継がれ、
新生日本の「基本政策」となっていきました。
▼龍馬の世界観
「世界観」というのは、普通「心の中」にあるものです。
自分で「私の世界観はこうです」と宣言しないかぎり、なか
なかわからない。
ですから、龍馬の世界観も想像するしかありません。
彼の全活動は、「日本の独立を守ること」にささげられてい
ました。
龍馬にとっては、「日本の独立を守る」のが最大の目的で、
それを成し遂げるのが「幕府」でも「薩長」でも、どちらで
もよかったのでしょう。

だから、まず幕府の金で「神戸海軍塾」をつくり、その後
「薩長同盟」「大政奉還」に進んでいった。
幕府の金をつかったり、反幕府の薩長を同盟させたり、大
政奉還で徳川家を救ったり。

同時代の人には、「なんと節操のないことよ」と思われた
ことでしょう。
しかし、「日本の独立を守る」という「軸」から見れば、
龍馬の行動は、とても納得できます。

「日本の独立」

龍馬の世界観の中で、これがとても大きなポジションを
占めていたことは間違いありません。
しかし、船中八策を見ると、それだけとは思えません。
たとえば、船中八策の二番目、三番目。
2、上下両院の設置による議会政治
3、有能な人材の政治への登用

2は、「万人平等の民主主義政治にしましょう」といっている。
3は、「士農工商の身分制度を廃し、優秀な人たちは、どんど
ん出世できるようにしましょう」といっている。

要するに、龍馬は、「自由で平等な日本」を目指していたの
です。
なぜか?
龍馬は、武士の出身ですが、土佐には上士階級と郷士階級が
あった。
龍馬は、低い方の郷士階級だったので、子供のころから差別
されていた。
ところが、脱藩して広い世界にでると、だれも「上士とか郷
士」とかいわない。

また、勝海舟、横井小楠、グラバーなどから欧米の政体の話
をきいて仰天した。
「アメリカでは、靴屋の息子が将軍(大統領)になれる!」
こうして龍馬は、「倒幕」によって「日本の独立をまもる」
だけでなく、
「自由で平等な日本」をつくろうしたのです。

龍馬のおかげで、私たちは今、そんな日本に住んでいます。
このように、龍馬は、「戦略の階層の上の方」がしっかりして
いたことがわかります。

そして、明治維新政府も、龍馬の意志を引き継ぎ、短期間で日
本を世界の大国にすることに成功しました。

しかし、維新の元勲たちがこの世を去ると、世界情勢も知らな
い、大局も読めない、大戦略が全然ないリーダーたちが政治を
行うようになり、日本は破滅にむかっていったのです。

今の日本はどっちなのでしょうか???

ところで、皆さん。
龍馬の行動を見ると、彼は理想を目指しながらも、
「人は利によって動く」と常々いい、
決して「現実を忘れなかった」ことがわかります。

そう、彼は「理想を求めるリアリスト」だったのです。
もし皆さんが、「平成の龍馬」を目指すのなら、まず第1に
「この世の、実像」を知っておく必要があります。

どうすればそれを知ることができるのか?

これを読めば、全部わかります。
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北野 幸伯
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