皆さんはこのニュースどう思いますか?
私は今村さんもよく知っていますので、彼が怒るのもよくわかります。
しかし、メディア側にも報道の自由があるので、手段としては少しきつい気もします。
メディア報道と政治家の関係は今後も議論が続きますよね。
私もかつて、発言を書き換えられたことがあり、大変でした。
事前にこちらの確認なく報道されますから。
私も今村さんと似たところもあるので、今後の教訓にしていきますf^_^;
しかし、この問題を考えると、安倍総理の怒りは今村さんの何倍なのでしょう。
それを度量というのかわかりませんが、、、。
受け手の国民のリテラシーが問われる時代です。
【関西の議論】「偏向報道には取材拒否」元リクルートの市長、メディアと全面対決…在京テレビ局の「謝罪」で怒り収まらず
2015.2.4 15:00 産経
「偏向報道」とみなした報道機関に抗議し、改善されない場合は取材を一切拒否する-。兵庫県西宮市の今村岳司市長(42)が記者会見で明らかにした方針が議論を呼んでいる。「偏向報道を受けての今後の報道対応について」と題された文書に対して、報道各社が一斉に大反発。今村市長は数日後、「偏向報道」「取材拒否」の文言を削除するとしたが、「あくまでも文言の変更で、趣旨は変わらない」と強気の態度は崩していない。専門家の間では、「立場がわかっていない」「一種の圧力」などと懸念の声も上がっている。
茶髪・ひげ・ピアス市議から転身…対決きっかけは「偏ったTV番組」
「偏向報道で市の政策推進に支障を来すことは断じてあってはならない」
今村市長は1月23日の定例会見で、市が「偏向」とみなす報道をした報道機関に抗議し、改善されない場合はその後の取材を一切拒否するとの方針を明らかにした。
きっかけは、同月15日に放送された番組だった。阪神大震災で自宅を失った被災者に市が提供する「借り上げ復興住宅」の返還期限をめぐる報道で、復興住宅を返還することを「自宅を奪われる」などと表現。市が住み替えの用の住宅あっせんや引っ越し費用の支給などをすることにはほとんど触れていなかった。
番組を見た市の担当者が「偏った報道」と上司に報告。今村市長も「市が一方的に入居者を追い出しているような内容」と判断した。市は番組を制作した在京テレビ局に抗議し、同局は23日に謝罪した。
だが、今村市長の怒りは収まらなかった。
放送翌日の同月16日に「偏向報道ははなはだ遺憾。今回の報道を受け、市として報道対応マニュアルの策定が必要であると考えている」と各報道機関宛てにファクスを送付。そして、23日の会見で今後の報道対応方針を文書を示して発表した。
そのなかには、「偏向報道」をし、抗議しても改善されない報道機関には「取材に一切応じない」と書かれていた。ただ、「偏向報道」の基準は明確にせず、判断は市の内部で行うとした。
「文言の変更」であって「修正」ではない
ところが、わずか3日後の26日、今村市長は方針を変更する。
「取材を一切拒否する」という方針を改め、「改善を求める」という内容に変更した。また、「偏向報道」の定義についても、「『報道は事実を曲げず、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること』という放送法の趣旨に逸脱し、重大な誤解を与える報道」とした。今村市長は理由について、「偏向報道という言葉について配慮が足りていなかった」とコメントした。
しかし、同日夜の会見で、今村市長は「文言の変更であって、趣旨の変更ではない」と強調。「(一連の騒動で)市民に不安を与えたのでは」という質問に対して、「誤解を与える報道の方が不安を与えると思う」と強気な態度で答えた。
さらに、同日付のブログでは、「(マスコミの)一部は感情的に、『西宮市長が過ちを認めてごめんなさいしました』的な書き方をされていますが、別に『謝罪』『修正』『訂正』『撤回』したわけではなく、あくまで、『正確につたわりやすいように文言を変更』ということです」と改めて説明。
同28日付のブログでも「さっそく完全な事実歪曲(わいきょく)もあって笑えました。記者会見で、明確に何度も申し上げました。『【文言の変更】であって、【趣旨の修正】ではありません』ってね。それでも『方針の撤回』と書かれているのがいくつか。とにかく『行政がマスコミにごめんなさいした』と書きたかったのでしょう」と書き込んだ。
「茶髪の議員」で話題、「公約のズレ」に反発
実は、今村市長の報道機関との対立は、今に始まったことではない。これまでも自身のブログで、報道に対する不満をたびたび発信していた。
今村市長は京都大法学部卒業後、大手企業のリクルート勤務を経て、26歳で西宮市議に初当選した。当時は髪の毛を茶色に染めてひげを生やし、ピアスをつけた独特のファッションで話題を呼び、「茶髪の議員」として地元では知られていた。昨年5月の市長選で初当選を果たしたが、当初から報道機関とは常に距離を取り続けていた。
今村市長は市長選で、市立中央病院などをアサヒビール西宮工場跡地(同市津門大塚町)に移転する市の計画に、「白紙撤回」を訴えていた。しかし、市長就任後に議会の反発などから市立病院と兵庫県立病院の統合病院用地として跡地を購入することになった。
このことについて、地元紙が「跡地の在り方をめぐり二転三転」「市議会の反発を受けて軌道修正を余儀なくされた」と報道。すると、今村市長はブログで「とにかく憎まれ口を書かなければ気が済まないようです」と反発した。
その後も公約とのズレなどを指摘する報道があるたびに、「イマムラはけっきょく口ばっかりで公約を反故(ほご)にした。新聞はハナからこういうふうにもっていきたかったのでしょう」「堅実な政策推進をマスコミから自衛するためにも、正しい情報は自分で発信していかなければならないのです」などとブログに書き込み、報道への不満を募らせていた。
今回の「偏向報道」騒動では、今村市長の報道機関との対決姿勢が一気に噴出した形だ。
「度量がない」専門家も反発
行政の広報PRや危機管理に詳しい千葉商科大の藤江俊彦教授(ソーシャルマネジメント)は「問題があったテレビ局に直接、修正を申し入れ、話し合いをする方法がよかったのではないか」と、一方的に「偏向報道」と決めつけて報道対応方針を発表した今村市長に苦言を呈する。そのうえで、「市長が発表する文書は公文書と同じで、非常に責任が重い。もっと考えて発表するべきだった。今村市長は自分の立場や身の程を分かっていないのではないか。ブログと同じような感覚で発表してはいけない」と警鐘を鳴らす。
また、今村市長が「取材拒否」の方針を撤回しているわけではないと主張していることについて、同志社大の渡辺武達教授(メディア倫理)は「自治体は公的組織。道徳的に問題がある取材ならともかく、原則的に取材には応じなければならない」と指摘する。「市がこのような文書を発表することは一種の圧力となり、報道の萎縮につながる危険性がある。自由な言論を妨げてはいけないという憲法21条に違反する」とし、「今村市長には報道を受容する度量がない」と突き放した。