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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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中国人の不法就労とスパイ

気になるニュース |

私も東南アジアから留学生を受け入れるプロジェクトに関わっています。

ですからこのニュースは人ごとではありません。

こうしてルールの抜け穴を探し悪いことをする人間が出てくると、真面目にやっている人も変な目でみられます。

違法行為は厳しく取り締まってもらいましょう。
ドバイなどならすぐに強制送還です。

それにしても東京での中国人店員さん、
ここ数年で一気に増えましたね。

中国人の不法就労を摘発したのは「外事警察」だった…スパイ監視と不法滞在者の知られざる関係
2014.12.22 07:00更新 産経

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有名外食チェーンの関係者が中国人の不法就労を助長したとする入管難民法違反容疑で大阪府警に逮捕される例が相次いだ。捜査にはスパイ活動に目を光らせる「外事警察」も参加していた

 「餃子の王将」と「神戸にんにくや」。有名外食チェーンの関係者が今年、相次いで大阪府警に逮捕された。容疑は入管難民法違反(不法就労助長)。通訳などの在留資格で日本に滞在する中国人を、調理人として働かせたのが違法と判断された。在留資格の有効期限が切れた外国人が日本に居残る不法滞在(オーバーステイ)は、平成16年以降に取り締まりが強化され大幅に数を減らしたが、現在も全国に約6万人いるという。今回の事件は、人件費を抑えたい外食チェーンが不法滞在者の就労を手助けした手口なのだが、捜査にはスパイ活動を取り締まる外事警察も参加していた。外国人スパイと不法滞在者の知られざる関係とは-。

◆広まるうわさ「ずっと日本に残れる」

 「留学期間が終わっても日本に残らせてくれる」

 「神戸にんにくや」をめぐって、こんなウワサが中国人留学生の間に広まっていたという。

 9月24日、入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで、「神戸にんにくや」などを展開する「エンテック」(大阪市北区)が摘発され、会長の男性(56)ら4人が逮捕された。

 府警によると、会長らは平成21年3月~今年7月、中国人の男7人に、通訳として働く場合の在留資格を取得させ、実際は大阪府茨木市の店舗などで調理人として働かせていた疑いが持たれた。

 7人はもともと留学生。入管難民法は外国人が日本に滞在している間に行える活動を定めており、7人のように「留学」の在留資格を持つ外国人は原則として就労が認められていない。

 しかし苦学生の事情を考慮し、事前に地方入国管理局長の許可を取れば、1週間に28時間以内の学業に支障が出ない範囲で、アルバイトができるようになっている。

 この制度を利用して、7人は長い間、アルバイトとして、エンテックが展開する外食チェーン店で働き、稼ぎ、調理のノウハウを身につけていた。

 人件費の安い学生アルバイトを、競争の激しい外食産業で他社としのぎを削るエンテックの方でも重宝していたという。

◆入管の目をあざむく在職証明書  

 しかし、留学生に認められた在留期間は最長でも4年3カ月。やがて有効期限は切れる。

 人件費を安く抑えたいエンテックと、留学生の身分を失った後も日本に残って働きたい7人の中国人。両者の思惑が一致したとき、考案された方法が、通訳として働く場合などに付与される在留資格「人文知識・国際業務」を7人に取得させる手口だった。

 実際の仕事は通訳ではなく、それまで通りの調理人。入国管理局をあざむく悪質な手法だ。それでも違法行為に手を染めたのは、調理のノウハウを身につけた7人を正社員として雇うことができれば、アルバイト時代に支払っていた残業代や新人教育にかかる手間を省けるという算段があったようだ。

 エンテックは、7人が通訳をしたり、ホームページを作成したりするとした在職証明書を発行し、新たな在留資格の取得を後押し。入国管理局の審査を想定した「問答集」まで作っていたという。

 検察当局は会長ら4人を不起訴処分としたが、エンテックを略式起訴。同社は10月28日付で罰金100万円の略式命令を受けた。

◆企業と中国人を仲立ちする〝ヤミ稼業〟

 社内で不正が完結していたエンテック事件と比べ、中国人と外食産業をつなぐ第三者が介在していたのが、「餃子の王将」のフランチャイズ(FC)店で起きた事件の特徴だった。

 舞台は日本有数の電気街として知られる大阪市浪速区日本橋の「堺筋でんでんタウン店」など3店舗。府警によると、7~9月、通訳などの在留資格で来日した中国人5人と密入国したとみられる中国人1人が調理人として働いていた。

 「調理はさせられないと知りつつ、雇っていた」

 入管難民法違反(不法就労助長)容疑で9月25日に逮捕されたFC店運営会社「DDTダイニング」代表の男性(58)=同罪で罰金50万円の略式命令=は、調べに容疑を認めた。

 通訳として働く場合に付与される在留資格「人文知識・国際業務」を中国人に取得させる手口はエンテックと同じだ。だが、この事件では、中国人に偽りの在職証明書を発行し、DDTダイニングに〝安価な労働力〟を供給する第三者がいた。

 同法違反(資格外活動幇助)容疑で逮捕された男性(47)=同罪で罰金30万円の略式命令=が役員を務める貿易会社「ZOE」(東大阪市西堤)だ。

 ZOEの設立目的は、商業法人登記によると衣料品や電化製品、コンピューター、中古自動車などの輸出入となっているが、「実態があったかどうかは分からない」と捜査関係者。

 むしろ、捜査で明らかになったのは、ZOEが在職証明書を発行する際に中国人から手数料を受け取っていたという点。「手数料だけで会社の経営が成り立つほどの額ではなかった」が、中国人の不法就労を手助けする「ヤミ稼業」が成立していた可能性がある。

◆外国人スパイの温床を絶て

 〝餃子の王将FC事件〟は、府警外事課(外事警察)が捜査を主導した。外事警察は、外国人スパイの取り締まりや国際テロを防ぐための部隊。「日本で稼ぎたかった」という単純な動機の不法就労事件を捜査するのはなぜか。

 「外国人スパイが日本に入り込む余地を作らせてしまうことになるからだ」。ある捜査関係者は話す。

 在留資格の有効期限が切れた外国人は「存在自体が違法」。正規の仕事に就けず、生活費を稼げないので犯罪に手を染めることになる。「同じ境遇の者同士で情報を交換するうちに仲間で犯罪を繰り返すようになり、やがて外国人犯罪組織を作ってしまう」

こうした組織は住居や働き口、携帯電話、銀行口座といった生活基盤を提供。「不法残留者だけでなく、スパイやテロリストもまた、こうした受け皿を利用して日本で活動する」という。

スパイやテロリスト、外国人犯罪組織が活動する受け皿を絶つために、外事警察が不法就労を取り締まるというわけだ。

 府警の推計では、日本に不法残留している外国人は現在約6万人。ピーク時の平成15年5月の29万8646人と比べると大幅に減った。16年以降、警察や入国管理局が不法残留者を摘発してきた成果だが、取り締まりが厳しくなるにつれて、不法残留の手口も巧妙化してきた。

 当初は観光ビザなどで入国した後、日本に居残るケースが多かったが、最近10年間は日本人と偽装結婚し「日本人配偶者(通称=ニッパイ)」として在留資格を得る手口が大流行した。

 摘発が進む中、新たに登場してきたのが、今回の事件のように、安い労働力を確保したい企業が、在留資格を違法に取得させる手口だった。

 利益を優先し、安易に中国人の不法就労を促したと指摘された外食チェーンの関係者たち。自分たちの行為がスパイやテロリストの暗躍につながるかもしれないとは「夢にも思わなかった」という。

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