解散して日本の政治は少し手薄です。
それでも世界は動いています。
アメリカと中国の間で揺れるアジアの国々。
他国の動きをみると日本の姿も見えてきますね。
中国船がベトナム漁船襲う 体当たり、放水、乗り移り船室破壊 南シナ海パラセル諸島近く
2014.11.28 15:07更新 共同
ベトナムと中国が領有権を争う南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島近くで、中国船がベトナム漁船に体当たりしたり、放水したりする事件が起きた。ベトナムの国営メディアが28日、報じた。
ベトナム中部クアンガイ省から出漁した漁船2隻が中国船に襲われたのは26日で、1隻は追い回された後、中国人が乗り移ってきて船室や機器などを破壊。さらに別の中国船に体当たりされ、左舷に大きな損傷を受けた。もう1隻のベトナム漁船も中国船から放水されるなどしたという。
パラセル諸島は中国が全域を実効支配。付近では近年、中国船によるベトナム漁船の拿捕などが多発している。
中国は今年5~7月に同諸島近くで石油掘削作業を実施したが、中国船によるベトナム船への体当たりなどが頻発し、ベトナム漁船が沈没させられる事件も起きた。(共同)
中国にすり寄るタイ暫定政権 駐タイ日本企業は大丈夫か
2014.11.26 11:00更新 産経
11月11日、APEC首脳会議出席のため訪れた北京の歓迎式典の会場で習近平国家主席と握手を交わすプラユット首相(ロイター)
タイ暫定政権のプラユット首相(前タイ陸軍司令官)が、外交活動を本格始動した。北京やミャンマーでの国際会議に相次ぎ参加したほか、日本訪問も予定しているという。欧米諸国が軍事政権へ冷たい対応をとる中、中国はタイを懐柔する姿勢を強めており、中タイは急接近しているもようだ。日本企業はタイに多く進出しており、高速鉄道輸出など大型インフラ案件にも期待を寄せているだけに、日本政府の対応が注目されている。
プラユット氏は9日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため訪れた北京で、習近平国家主席や李克強首相と相次いで会談し、中国雲南省からラオス、タイを結ぶ鉄道建設への協力などを表明した。
習氏は「両国の全面的な戦略パートナーシップを深めていきたい」と述べ、同鉄道などタイでのインフラ開発への協力や、中国企業によるタイへの直接投資拡大の考えを示した。これにプラユット氏は、中国が目指す「シルクロード経済ベルト」や「21世紀の海上シルクロード」に言及し、関係強化への期待で応じた。
タイでは、インラック前首相の兄で、以前の軍事クーデーターで事実上の国外逃亡を続けるタクシン元首相が、中国との経済関係強化を主導してきた。一方、タクシン氏を警戒する軍部は、中国と一定の距離を保ってきた。国境を接するミャンマーやカンボジアが中国へ軍事的に依存してきた状況も、タイの軍部と中国との微妙な関係を作り出してきた。
だが、5月のクーデーター後、米国がタイへの軍事協力を中止するなど、米欧は早期の民政移管を求めプラユット政権に圧力をかけている。プラユット氏としては、頼れる大国は中国ぐらいしか見当たらないのが実情だ。
プラユット氏が中国に約束した鉄道整備をめぐっては、インラック前政権と日本側が、別の路線における高速鉄道計画で協議を進めていたが、クーデーターで頓挫してしまった。中国政府が自国に有利な路線でタイと合意にこぎ着けたことに、日本政府筋は「中国側が提示する路線の現実性はかなり低い。日本が売り込んでいる高速鉄道とも内容が違い競合しない」と指摘する。一方、現地の日本企業関係者は「タイ国内での需要拡大が確実視されるインフラ整備で中国企業の後じんを廃しかねない」と危機感を募らせている。
タイの英字紙バンコク・ポスト(18日付)によると、タイのプラウィット副首相兼国防相(元タイ陸軍司令官)は、中国ウイグルから不法入国したとみられる200人以上の難民について、国籍を確認後、中国側に引き渡す考えを示した。これら難民は、今年に入り南部ソンクラーで見つかり、現在は拘束中。中国側の迫害が懸念されるが、プラウィット氏は「彼らが帰国したとしても、中国のような大国が暴力で扱うとは信じていない」としており、人権団体などの反発も予想される。
プラユット氏は、8月に首相就任後、10月に初の外遊先としてミャンマーを訪問。その後、欧州や北京、ミャンマーでの首脳会議に出席するなど、着々と外交日程をこなし自信をつけている様子だ。ある地元ジャーナリストは、軍服から背広に着替えて首相としてふるまうプラユット氏の姿に「首相になりたいためにクーデーターを強行したといわれても仕方ない」と指摘する。
バンコク・ポスト紙によると、プラユット首相は12月に日本を訪問する予定。韓国を11~12日に訪れた後で、日程は未定という。日本では総選挙の時期だけに実現は不透明だが、来日した際は、たなざらしとなっている高速鉄道計画をはじめ、インフラ投資も呼びかける見通しという。(シンガポール 吉村英輝)