先週は吹田JCの姉妹JC
今年の三月にたまたま台湾でデモを見ていろいろ感じることがあったので今回もデモの現場をみてきました。
メディアの影響で、香港全体でデモをやっていて危険なのではないか、と思っている人もいるようですが、デモをやっているのは町の2箇所でした。
日本でいえば、永田町で反原発デモをやっている感じだと思ってください。
街は平穏そのもので、他の地域では皆さん普通に暮らしておられました。
香港島と九龍の二箇所でデモがおきていて、
香港島の現場は日本でいうところの霞が関にあたるような場所。
商業地にも隣接しており、かなりの交通の要所を占拠している形でした。
九龍側の現場は商業通りのど真ん中。日本でいうと大阪の御堂筋を占拠したような感じでした。
日中の雰囲気は台湾のデモより平穏な感じがしました。
開始からかなり日数も立っているのでけっこう人も減っていたようです。
中心にいるのはやはり学生たちで、テントの中で勉強をしながら占拠を続けていました。
日中に私が訪れた時は演説などの活動はなく、賛同者の似顔絵を書いていくパフォーマンスなどが行われていました。
しかし、夜になると演説会が開催され、多くの聴衆とテレビカメラが集まっていました。
デモに賛同する人たちは、イエローリボンをつけてサポートをしていますが、
政府を支える人たちはブルーリボンをつけて「家に帰りなさい」と訴えていました。
私をガイドしてくれた香港人にも反対派と賛成派がいていろいろ聞かせてもらいました。
賛成派の意見
•ブルーリボンの人たちはボランティアではなく、政府からお金をもらって動いている。
•政府はギャングにお金を渡し、イエローリボングループに人を送り込み過激な活動をさせ、世論の支持を失わせようとしている(台湾でも同じことがなされてました:神谷談)
•活動の趣旨には全く賛成する。我々の声を中国に届ける必要がある。しかし、やり方には問題があると思う。
•声をあげたことはよかったと思うが、これで何かが変わるとは思えない。
•社会人なので表だって政治的な発言はできないが、学生の行動を誇りに思う。
反対派の意見
•中国共産党もいろいろな改善をしていて、香港人の生活も豊かになっているのだから、デモなど必要ない。
•ネットの影響で共産党の言論統制も効かなくなっているんだから、デモなど必要なかったのでは。
•香港には軍隊もない中で、香港人の経済活動の自由は中国人民解放軍により守られているのだから、従うしかない。
•現実を見ないといけない。香港と中国の経済的結びつきはもはや切り離せない。中国経済の国際的な窓口として香港の発展があることをわかっていない。
このような意見の対立は家族の中でもあるようで、家族間でも相当意見は割れているそうです。
若い世代ほどデモを支持し、中国と強いビジネス関係がある人や30代半ばより上の世代は安定を重視して、デモには反対する傾向が強いようです。
香港とメインチャイナとの関係は、台湾と中国との関係にかなり似ています。
一方は民主的普通選挙で一方は経済政策と主張は違いますが、
共に中国共産党にのみこまれないように、自分たちの自治を確保したいというものでした。
日本の安保闘争を連想しますが、日本は軍事を任せているんですからね、、、。
客観的にみれば、台湾や香港よりも深刻な状況ですが、国民はすっかり慣れてしまっているだなと改めて感じました。
また、香港の学生らも暴力行為に及ばないように配慮をしている様子が良く分かりました。
暴力で訴えれば、大衆の支持はなくなり、政府から力で潰されることをよく理解しているです。
台湾と同じように、デモ地域が荒れないように、ごみの仕分けなどはしっかり行ってもいました。
今後の展開がどうなるかは分かりませんが、デモに賛同する人でも、共産党が彼らの要求をのむのは難しいだろうという見方が多かったです。
私もそう感じていますが、しかし、それでもこうして意見を形にする姿には感じるところが大きいです。
デモ以外に見てきたものとして、TV,移民、カジノについても少し報告を。
香港でテレビをみているとちらほら日本の映像が流れてきました。
だいたい安倍総理の画像が出てきて、「靖国神社」とか「自衛隊」という単語が下に出ています。
自衛隊のニュースなんかは、日本では見たこともないくらい詳細な訓練の様子が流れ、
まるで日本が戦争を始めんかとするような報道です。
少し心配になって香港人の知り合いに聞いてみました。
「ああいうニュースを見て、ひょっとして香港の人も日本が攻めてくるとかって思ってますか??」
回答は、
「あれはメインチャイナから流れてるニュース。香港人はちゃんとわかっているから大丈夫」
安心はしましたが、頻繁にあんなニュースを見ていたらすっかり印象がついてしまいます。
広東語がわからないですから、逆に映像にこめられたメッセージ性が良く分かりました。テレビは怖いですね。
次に外国人移民について。
香港にも週末には、フリースペースに集まって座っている外国人労働者をたくさんみました。
台湾でも同じ風景を見たことがあります。
彼らは休みになると、お金のかからない公園や広場に集まって一日過ごすそうです。
香港でも外国人労働者に家事などを任せているそうで、
日本でも同じ議論があるんですと伝えて何人かの香港人に家事を任せることについて聞いたら、
「香港の若い夫婦はだいたい共働きだから仕方が無い」
「自分は反対。子育てまで外国人に任せていたら、きっと将来問題が出てくる」
という意見を聞きました。
この点、もっとヒアリングしたかったです。
最後に日本でもカジノ構想があり、議論が進んでいますが、その時にいつも出てくるのが、
シンガポールとラスベガスとマカオです。
シンガポールとラスベガスはいったことがあるので、イメージができるのですが、マカオはいったことが無くてわからなかったので、
今回香港に行くついでに見てきました。
マカオには2箇所カジノゾーンがあります、規模は確かにすごかったです。
ラスベガスよりも収入が多いというわけもわかりました。
同じアジアでマカオを超える規模のカジノを日本が作るのはかなり困難ですね。
また、マカオには近くに歴史的な世界遺産群もあり、観光もできます。
旅行に行っても一日中カジノでは飽きますし、子供などつれて来れませんからね。
やはり観光スポットが近くにないと魅力は半減します。
そう考えると、日本で可能性があるのは奈良と京都を近くにもつ大阪か、羽田の近い横浜、もしくは沖縄くらいしか私には考えられません。
つまり、もともとの社会基盤が無いところにつくるのは難しいということです。
また、顧客はアジアの方が多くなりますね。マカオのカジノに欧米人はほとんどいませんでしたから。
今回、マカオを見て、日本のカジノ構想もよほどしっかりした国策で一箇所に固めるくらいのことでやらねば、
分散したら共倒れになると私は感じました。
また、日本で無ければできないユニークさが必要でしょうね。
いっそのこと日本中のパチンコを一箇所に集めて、温泉&競馬&競艇&競輪&パチンコ総合レジャー施設にし、カジノは江戸の賭場みたいにしてしまえば、
マカオを越えるネオンがギラギラのユニークな場所ができるかもしれませんね。
それにしても日本はギャンブルが多すぎます(汗)
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近況報告ですが、やっと「日本のスイッチを入れる」の続編の下書きが終わりました。
あとは、構成や文章を直していくのみ、、、
と思っていたら、また解散総選挙になりそうな雰囲気です。
前回も本を書いていたら解散だったのです。
デジャヴのような気持ちでおります。
頑張って本を仕上げます。