本来なら1990年代に日本がやっておけばよかったこと(アメリカがやらせないが、、)を20年遅れで力をつけた中国が仕掛けてきました。
これからはアジアに金融の中心がうつる可能性が高く、個人的には領土問題より日本には痛いと感じます。
アジアインフラ銀、参加国21 中国主導を警戒 韓国などは見送る
2014.10.25 05:00 産経
北京の人民大会堂で24日開かれたアジアインフラ投資銀行の設立覚書の調印式で挨拶する中国の楼継偉財務相(左)(AP)
中国が提唱する500億ドル(約5兆4000億円)規模のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に関する覚書に24日、21カ国が調印した。韓国、オーストラリア、インドネシアは参加表明を見送った。
中国の習近平国家主席は、同国がアジア地域で影響力拡大を図る上でAIIBが重要な機関となると見なしており、昨年10月に設立を提案していた。
AIIBは、日本と米国が最大出資国であるアジア開発銀行(ADB)など既存の国際開発金融機関と競合する可能性があり、米国は反対を表明、同盟国に不参加を要請していると、米紙ニューヨーク・タイムズは今月報じていた。
豪経済紙オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)によると、ケリー米国務長官は20日、ジャカルタでアボット豪首相と会談した際に不参加を要請。米国は、中国の提案がガバナンスなどの面で許容水準を満たさないとの立場をとると述べた。
24日に開催された署名式典の代表取材によると、予定される加盟国にはインド、ベトナム、シンガポール、カタール、タイ、モンゴル、ミャンマーなどが含まれる。
習国家主席は式典で、AIIBは世界銀行やADBの優れた活動を見習い、「包括的で極めて効率性が高く、連帯間の強い経済連携基盤」となることを目指すと語った。また、各国代表団に対し、全てのアジア諸国は「結束を通じた強さの模索が重要だと理解している」と明言。AIIBはアジア内外のあらゆる国の参加を歓迎すると述べた。
中国国営の新華社通信が報じたところによると、同国の楼継偉財務相は24日、AIIBは既存の開発銀行を補完する役割を果たすことになり、競合するものではないと発言。AIIBは世界銀行やADB、他の国際的な開発機関などと緊密に協力していくと述べた。(ブルームバーグ Xin Zhou)
アジアインフラ銀行の参加21カ国が合意書に署名 中国が半額を出資
2014.10.24 20:06更新
【北京=矢板明夫】中国国営新華社通信などによると、中国が設立を提唱している国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」をめぐり、参加を希望する東南アジア諸国など21カ国の代表が24日、北京の人民大会堂で創設計画の基本合意書に署名した。
署名式に出席した習近平国家主席は、各国代表と会談し、「みなさんと一緒に努力し、平等で、包容力のある、効率の高い銀行にしたい」と語った。
中国紙の第一財経日報などによると、設立資金は約1千億ドル。中国が半額の500億ドルを出資する。本部は北京に置き、早ければ来春にも発足、中国財務省元次官、金立群氏が初代総裁に就任する見通しという。
AIIBは新興国向けなどのインフラ整備資金を融資することを目的に、習主席が2013年10月に東南アジア諸国を歴訪した際に提唱した。
「金融覇権」目論む中国 銀行設立に警戒する先進国、韓国・日本は参加見合わせ
2014.10.24 22:35更新
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を提唱する中国の狙いは、先進国主導の世界銀行やアジア開発銀行(ADB)に対抗し、国際金融の分野で発言力を高めることにある。ただ、影響力拡大を急ぐあまり、運営体制などに不透明な側面を残している。日本をはじめとする先進国側には警戒感も広がっている。
ADB研究所の試算によると、2010~20年に必要となるアジアのインフラ整備額は約8・2兆ドルで、政府投資だけでは資金不足が見込まれる。中国側は、「アジアはインフラ建設のための資金が必要」とAIIB設立のメリットを強調しており、この日も、インフラ資金の調達に苦しむ東南アジアや中東諸国など計21カ国が、設立趣旨に賛同して署名した。
新興5カ国(BRICS)とも「新開発銀行」創設で合意した中国が、さらなる新銀行の設立に動くのは、世界第2位の経済規模とは裏腹に、国際金融の舞台で主導権を握れないことへのいらだちがある。中国には人民元をドルに匹敵する国際通貨に育てる思惑もあり、AIIBは「将来的に、人民元をアジア諸国に流通させる一助ともなりうる」(大和総研の神尾篤史研究員)。
こうした覇権主義ともいえる動きに対し、先進国側は警戒感を強める。
今回の署名には日本、豪州、韓国などが参加を見合わせた。一部報道によると、韓国は米国の強い反対を受けたという。麻生太郎財務相は24日の記者会見で「融資に対する審査能力はあるのか」と、AIIBの実務能力に疑問を呈した。
日本側はこれまで、中国側に、(1)明確な融資基準(2)出資国の発言権などガバナンス体制(3)ADB以外の開発銀行を設立することの妥当性-などに疑問を投げかけてきたが、「納得を得られる回答はなかった」(外交筋)という。
中国外務省の華春瑩報道官は24日、「意欲のある国々が参加し、積極的かつ建設的な役割を発揮することを歓迎する」と述べ、今後も参加国の拡大を目指すことを明らかにした。(佐久間修志、北京 矢板明夫)
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