わけが分からない規制をする国です。
大学院にいくことが問題ではなく、
癒着する人間性や倫理観の問題なはずです。
こんな規制をしても結局別のルートで繋がるだけで、かえってわかりにくくなるだけです。
勢力争いの色合いが濃いですかね。
次元の低い話だと感じました。
中国 党幹部に高学歴取得禁止令
2014.9.21 07:00更新 産経
習近平国家主席や胡錦濤前国家主席の母校としても知られる名門、清華大学。中国共産党中央組織部と教育省が出した党幹部の高学歴取得禁止令によって、9月から各大学院の社会人コースで退学ラッシュが起きているという=北京市(共同)
中国共産党の人事部門である中央組織部と教育省が連名でこのほど、党高級幹部や管理職の公務員に対し、MBA(経営学修士)、EMBA(企業幹部向けのMBA)などの高学歴取得を実質禁止する通達を出した。これを受け、9月に始まる新学期に合わせて北京の各大学院の社会人コースで退学ラッシュが起きているという。通達は習近平指導部による反腐敗と幹部管理強化の一環とみられ、庶民の間で賛成する声がある。しかし、「幹部の思想硬直化をもたらす」などと、通達を批判する声も上がっている。
反腐敗の一環
中国メディアの統計によると、中国の有名大学のMBAやEMBAコースに通う学生のうち、約15%から20%は党や政府機関の高級公務員、または大手の国有企業の幹部で占められている。中国では、修士号または博士号を持っていれば、将来的に昇進する可能性が高くなり、幹部たちにとって大学院の箔付けの意味は大きいといわれる。しかも、多くの幹部は自分で学費を払わず、所属する官庁や企業から奨学金などの形で資金援助を受けているため、「税金の無駄遣い」「不公平」と言った批判の声が常にある。
党幹部以外で大学のEMBAコースなどに通うのは、民間の中小企業の経営者が多いという。彼らの中には、教育を受ける目的よりも、政府高官と知り合い、人脈づくりをしたいと考える者もおり、「中国の大学院は政財癒着の温床になりつつある」と指摘する中国人記者もいる。共産党当局が今回、禁止の通達を出したのは、こうした批判の声を意識した可能性が高い。発表を受けて、インターネット上には「党幹部の特権が撤廃された」といった歓迎の書き込みが寄せられた。
しかし、習近平国家主席(61)も李克強首相(59)も高級幹部になってから、大学院の社会人コースで博士号を取得している。杜(と)家(か)毫(ごう)・湖南省長(59)らのように数年前にEMBAコースを卒業したばかりの地方指導者も多い。共産党当局はこれまでに、党幹部の大学院進学をむしろ推奨してきた。いきなり政策転換したことに対し、一部の党幹部は「指導部のメンバーは自分のことを棚に上げて下ばかりをいじめている」と批判している。
大量退学で大打撃
大学経営にも大きな打撃を与えたようだ。ある大学関係者によれば、党幹部たちがそろって退学したことで、学校に行く意味がなくなったと思った企業経営者も退学し、今後、学生が激減する可能性がある。北京大、清華大を含む多くの中国の有名大学は、社会人を対象とした大学院教育を重要な資金源にしている。国から与えられた教育経費が少ないため、大学院の副収入が少なくなれば、しわ寄せが他に及ぶ可能性もある。
影響はそれだけではない。ある大学教授は「腐敗問題につながる部分もあるが、あくまでも一部に過ぎない。全体的にみれば、政府高官が教育を受けることは良い事だ」と話したうえで「大学院は幹部にとって、社会や経済の実態を知る数少ない場所であり、それがなくなれば、中国全体の発展にマイナス効果をもたらす」と強調した。
普段、取り巻きに囲まれる政府高官が、大学院に行けば、経営者や企業幹部から現場の声が聞けるほか、世界最新の経営理念を学ぶこともできる。これまでにEMBA、MBAに進学したのは改革派の幹部が圧倒的に多いと言われている。今回の通達は彼らから社会を知る貴重なチャンスを奪い、今後、「マルクス主義」や「習近平の重要講話」などの政治理念ばかりを勉強させられれば、共産党幹部はますます、保守化し、庶民から孤立する存在になることが懸念される。
権力闘争との見方も
今回の措置について、党内の権力闘争の視点から解釈する党関係者もいる。●(=登におおざと)小平氏(1904~97年)の孫など習主席の人脈に繋がる太子党(元指導者らの子弟)系の幹部の多くは、青年期に米国などに留学し、有名大学で修士以上の高学歴を手にしてから、官僚になった人が多い。習主席の長女も現在、米ハーバード大学に留学している。
一方、胡錦濤前主席(71)が率いる共産党の下部組織、共産主義青年団出身の幹部らは、一般サラリーマンの家庭や農村出身が多く、社会人になってから大学院に通う人がほとんどだ。そのため、今回の禁止令は、実質的に共青団派ら叩き上げの幹部の学歴取得を規制するためのものとなる。
学歴重視の中国では今後、非太子党系幹部の出世に影響を与えそうだ。(やいた・あきお 中国総局)
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