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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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実態を報じない?NHK

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沖縄のデモと同じ報道姿勢ですね。

昨日のみたままつりでも感じましたが、テレビの報道も場面を切り取りすぎじゃないですか?

リアルな臨場感を伝えるのが、国民の知る権利を担保すると言われる報道の使命では?

こうした報道は知事選挙などにも影響したと仄聞しています。

ごめんなさい、ではすまない問題では?

摩訶不思議な官邸前抗議集会と実態を報じないNHK

2014.7.13 12:00 zakzak

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首相官邸前で、集団的自衛権の行使容認に抗議する人ら=1日午後、東京都千代田区(松本健吾撮影)

 永田町に静けさが戻ってきた。通常国会が6月22日に閉会した後も、首相官邸前は気ぜわしかった。ピークは7月1日。憲法解釈の変更により集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定が行われたその日、官邸前は閣議決定に抗議する集会の参加者であふれた。

 NHKは1日夜のニュース番組で、閣議決定に関する安倍晋三首相の記者会見の内容を報じたのに続き、集会の模様も伝えた。「戦争反対」「戦争する国にするな」などのプラカードを掲げた参加者が、「若い人が声をあげないとだめだ」といった趣旨のことを訴える映像も流した。

 これを見た視聴者は、いかにも首相が国民の声を無視して横暴を働いていると感じたかもしれない。首相は記者会見で「戦争をする国にする」とは一言も言っていない。そうはいっても閣議決定の受け止めは人それぞれあっていいと思うが、いくら公平性が大事だとはいえ、反対者の意見を無批判に垂れ流すとは、公共放送として果たして正当なのだろうか。

 もっと言うと、NHKの報道は間違いではないが、実態を正確には伝えていない。同じメディアの人間として、こういう指摘は心苦しい面もあるが、誤った理解をする人もいる可能性がある大事なことなので、以下指摘する。

 抗議集会の参加者の間には多くの「のぼり」がはためいていた。現場でみればすぐに分かることだ。「○△教組」「○×労連」など、特定の野党と関係が深い団体のものがほとんどだった。最も目をひいたのは、警察庁が極左暴力集団と認定している団体の真っ赤な旗だった。

 だが、こうした映像はNHKでは映されない。集会には共産党や社民党の国会議員も参加し、マイクを握って安倍政権批判を展開し、参加者が同調していた。これも映らない。だから、「ごく普通の善良な一般市民が、暴走する安倍政権への抗議に集まった」との印象を受けた人もいるだろう。

 参加者の言葉遣いは総じて聞くに堪えないほど品がなかった。否が応でも耳に入ってきてしまう訴えを聞いているだけで不快な気分だった。一国の首相を「安倍!!」と呼び捨てにし、「ファシスト」呼ばわりする。「安倍は人殺しだ!!」というのもあった。文字にするのもはばかれる罵詈雑言もあった。こんな過激な集会には、子供の姿もあった。

 日本は憲法で集会や表現の自由が保障されている。とても自由な国だ。だが、そこにも常識的な限度というものがある。

 集会には主催者発表で1万人超が参加したという。人数の真偽を確認する術はない。中には、いわゆる「普通の市民」もいただろう。その集会が、どんな許可を得て開かれたのか知らないが、官邸前の道路には明らかに参加者がはみ出していた。だが、警察が道路交通法違反の現行犯で検挙したとの報道はない。毛沢東の「造反有理」よろしく、「善良な市民の純粋な正義の行動」の前では、道交法違反など小事なのだろうか。深夜まで続いた静寂を破壊する大音量の楽器と叫び声もそうだ。

 集会参加者の訴えによると、安倍政権の閣議決定は「民主主義を壊す」のだという。常識の尺度が違うのだと思うが、閣議決定がどうして民主主義を壊すのかが分からない。民主主義の象徴である衆院選(平成24年12月)で、今回の集会に国会議員が参加していた共産、社民両党は計10議席を獲得した。閣議決定の前段として与党協議を続けてきた自民、公明両党は計325議席だった。これは民意ではないということのようだ。

 ちなみに、公明党はともかく、少なくとも安倍晋三総裁の自民党は24年の衆院選公約で集団的自衛権の行使を可能とすることを明記していた。選挙戦の街頭演説でも安倍総裁は訴えた。少し政治に関心がある人なら、首相にとって行使容認が長年の持論であることは有名なことだ。それを今さら「安倍に白紙委任していないぞ!」とか、「だまし討ちだ!」と訴えるのは、自らの無知をさらしたに等しいか、批判のための批判でしかない。

 そんなちゃぶ台返しの訴えを集会でするぐらいなら、次期衆院選に向けて今から着々と共産、社民両党の勢力拡大に励めばいい。それが民主主義の王道のはずだ。

 選挙こそ国民の声を聴く最善の場だが、抗議集会の参加者は「勝手に決めるな! 国民の声を聴け!」とも訴えていた。「自分と同じ考え以外の人は国民ではない」とでも考えているのだろうか。自由が大好きな割には、他人の自由には実に厳しい。

 「拙速だ」との声もあった。集団的自衛権の行使容認は少なくとも自衛隊発足後、永田町で長年議論の対象になっていた懸案だ。急に降って沸いた問題ではない。単に自分たちが今まで関心がなかったか、真剣に考えてこなかっただけの問題だろう。そもそも、どれだけ議論したら拙速でないのだろうか。「拙速だ」は「反対だ」という意味にしか聞こえない。

 「容認するなら憲法解釈ではなく憲法改正が筋だ」と訴えた参加者もいた。筋論としては、そうだ。だが、憲法改正に反対する人に限って、そういうことを言う傾向が目立つ。日本を取り巻く環境は憲法改正が実現するまでの時間的な猶予を与えるだろうか。

 「戦争に巻き込まれる」との訴えもあった。戦争に巻き込まれたくなくても日本の領土を不法に占拠し、日本海に向けてミサイルを放ち、日本の領土に領海侵犯を繰り返しながら、なんら悪びれない国が近くに複数いる。集会参加者は「侵略」が大嫌いだと思うが、日本への侵略的行為が常態化され、その事態を拡大させない、あるいは抑止し、解決するためにも重要な日米同盟の連携には反対というのが不思議でならない。

 集団的自衛権の行使を想定した事態として首相が5月の記者会見でも示した「邦人輸送中の米艦防護」などの事例について、「そんな可能性は極めて低い」という指摘もあった。民主党や結いの党、そして公明党まで
もが「蓋然性が低い」「個別的自衛権や警察権で対応可能」などと指摘している。

 確かに可能性は低いかもしれない。しかし、ゼロとは言い切れない。政府が邦人保護のために万全の準備をしておく必要はあるはずだ。大地震や大津波が起こる可能性は極めて低くとも、命を守るためにはそれなりの備えが必要だ。それが東日本大震災や原発事故の教訓だったはずだ。同じ国民の命を守ることなのに、なぜか特定の思想を持った人は安全保障に関することになると過剰に拒否反応を示す。

 集会参加者によると、「自衛隊は今まで一発も銃を撃たず、人を殺さず、殺されなかった」「今度は自衛隊が人を殺すことになる」という。個別的自衛権の行使の場合でも、自衛隊が任務のために銃を撃つ事態になることは当然ある。なぜ日本を守るための集団的自衛権行使になったとたんにダメなのか。

 どうにも閣議決定が許せないらしく、毎日でも官邸前で大規模に抗議集会が行われるのかと思いきや、2日以降はほとんどみられなくなった。一方、同じ場所では原発再稼働反対や、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への反対集会が開かれ、閣議決定抗議集会と同じ調子で品のない罵声と大音量を官邸に向けて浴びせていた。

 4日には、拉致被害者らを調査する北朝鮮の特別調査委員会が設置された。ごく普通に暮らしていた日本国民が、ある日突然北朝鮮にさらわれた。こんな悲劇があるだろうか。調査委設置の動きは、ちょうど集団的自衛権の閣議決定と重なる時期の出来事だった。閣議決定に反対し、「平和を愛する」という人たちの抗議集会で、現実に起きた平和への脅威である拉致問題の解決を求める声は寡聞にして聞こえなかった。

 繰り返すが、日本には集会の自由が認められている。表現の自由もある。だから、公序良俗に反せず、一定のルールの下に行われるならば、自由でいい。問題は、これを取り上げるNHKのあり方だ。

 朝日新聞も毎日新聞も東京新聞も複数の民放も官邸前の抗議集会を扇動的に報じていたが、特にNHKの影響力は絶大だ。特定の政党色を出しすぎることはNHKに限らず、放送法に反することになる。だが、明らかに政党色があるのにそれを伝えないのは、「洗脳」という意味では、より悪質だ。

 NHKは2日以降も、万単位にも及ばない全国各地の閣議決定抗議集会の模様を伝えていた。推測するに、背景にはNHKの籾井勝人会長が1月の就任記者会見で行った「問題発言」が影響しているのではないか。

 籾井氏は記者会見で、NHK国際放送の番組基準に沿って「政府が右というものを左というわけにはいかない」と正当な見解を示し、「慰安婦は当時どこの国にもあった」などの事実を述べたことが問題視された。何が問題なのか不明だが、朝日新聞などの標的となり、本人はその後謝罪して、発言も撤回した。

 その後のNHKの内部事情は知るよしもない。だが、「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」なのか、籾井氏の発言の反動で過剰に公平性を意識し、あるいは政権寄りとの批判を避けるために、変なバランス感覚が働いているのではないだろうか。籾井氏は謝罪後、「不偏不党」を誓ったが、閣議決定抗議集会の報道はとても不偏不党には映らなかった。

 NHKに限らず、テレビ朝日や毎日新聞、東京新聞が報じた集団的自衛権に関する「間違いではないが、実態を正確に伝えていない」問題はほかにもある。現在取材中なので、それは産経新聞の紙面で後日。

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