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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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【拡散自由】リアルタイム 台湾レポート

ブログ |

3月23日。
サービス貿易協定をめぐる台湾のデモを見てきました。

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3月18日に25歳の学生を中心に立法院が占拠されて始まったデモは、23日現在4万人を越える規模に膨らんでいます。

学生達が恐れているのは、経済進出を皮切りに中国共産党が政治的に台湾を飲み込んでいき、

台湾が香港と同じ状態、つまり、言論の自由や経済活動の自立性がなくなることや、

大量の中国人が移民として台湾になだれこんでくることです。

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中国大陸では、台湾への移民を募集するポスターなどが既につくられているそうです。

18日に事件が起こった当初、台湾のマスメディアは事件を報道しませんでした。

しかし、事件が長引くにつれ、メディアも無視できなくなり、最初彼らは、学生を悪者として報じ、テレビをみる大人たちは学生らを非難していたそうです。

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しかし、学生らは動画やフェイスブックを使い、自分たちの主張を広め、心あるメディアもそれを取り上げました。

すると、全国から学生を中心に人が集まり、座り込み支援の救援物資やボランティア医師団があつまりました。

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それでも学生らを非難する世論操作が行われるので、
学生らはデモに秩序をもたせるため、交通整理や清掃を始め、警官隊と衝突しないように訴えました。

また、大学の先生の中にもデモを支援する人が現れました。

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ここで、台湾の世論を整理すると、
キーワードは、黒箱反対と協定反対です。

黒箱とは、政府が秘密裏に中国と協定を打ち合わせたプロセスそのものであり、やり方がいかんというものです。

よって世論は、
プロセス賛成 協定賛成
プロセス反対 協定賛成
プロセス反対 協定反対

と別れ、協定反対の理由は、
中小企業が駄目になる
不公平な内容がだめ
中国の政治関与が強まる

など様々です。

バリケードをはる学生の政府への要求は、

協定の再審査
両岸協議監督条例という厳しいルールの設定
総統の誠実な国民との対話

の3つでしたが、

23日テレビに出てきた馬総統は、学生の要求には答えず、民進党批判だけしたようです。

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学生たちは、これまで秩序あるデモにつとめ、便乗して政治活動をしようとした民進党の政治家もボコボコに非難し、謝罪させるなどし、

かなりバランスをとって対応してきましたが、

今日の馬総統の態度に業を煮やし、穏健派と急進派に別れてしまい、

急進派は夜の8時ごろ行政院にも突入をしました。

そこで政府は憲兵なども送り出し、学生とのにらみ合いが激化しました。

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これは12時ごろの行政院と立法院の様子。

学生らは座り込み、演説を聞いたり、歌を聞いたりしていました。

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今後の展開はわかりませんが、
かつて日本であった安保闘争よりも非常に穏健なものだと感じました。

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私がインタビューした学生は、
台湾の独立も中国に統一されるのも望まないと言っていました。

独立しても台湾だけでは、経済がはやっていけずいずれ中国に飲み込まれる。
しかし、今統一されたら明日から民主主義がなくなるという考えでした。

決して全ての学生が真剣に考えているわけではないが、多くの学生が危機感をもっていることは確かだと。

日本の学生の話もすると、
日本の学生が政治に関心がないのはまだ政府がしっかりしているからだと彼らはいいます。

日本の学生は幸せだと。

一つの『国』に生まれる幸せを日本人は知るべきだ、

国として認めらない台湾にいるからこそ強くそう思う、

ずっしりくるインタビューでした。

一月に四年ぶりに台湾にきて、
その変化に驚きました。

中国人が凄く増えたからです。

私見ですが、台湾はかなり中国に飲み込まれています。

恐らくそうしてたまった国民のフラストレーションが今回のデモの根底にあると私は考えます。

経済のために中国との貿易を広げ、東南アジアの移民を受け入れた台湾の様子、若者声を今日は肌で感じました。

ぼけっとしていたら、日本も明日はわが身です。

私の経験や考えを皆さんにシェアしたい、

強くそう思った一日でした。

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