一般財団法人親学推進協会のメールマガジンをとっていてます。
高橋先生からの近況メールを頂いたのでご紹介します。
映画「終戦のエンペラー」の主人公のフェラーズについての説明は是非知って頂きたい。
高橋先生、帰国されたらまたいろいろ教えてもらいたいです。
皆さんも親学推進協会のメールマガジンとってみて下さい。
以下引用
韓国出身の呉善花・拓殖大学教授がソウルで行われる親族の結婚式に出席
するため、韓国の仁川空港に着いたところ、入国を拒否された。また、昨年
ロンドン五輪におけるサッカーの韓国代表選手の反日行動が続き、三年前の
サッカー日韓戦における「歴史を忘れた民族に未来はない」とする巨大横断
幕と伊藤博文を暗殺した”反日英雄”安重根の大型肖像が再びサッカー東ア
ジ・カップ日韓千で掲げられた。さらに、全米20ヵ所で慰安婦を象徴する
少女像を設置する動きが広がっている。
参院選で圧勝した安倍政権は歴史論争の正念場に立たされている。そうい
う中で、7月27日から全国ロードショーが始まった映画「終戦のエンペラ
ー」は、日本人必見の映画である。3月13日付け米ニューヨーク・タイム
ズが写真入りで大々的に報じた記事を読み、翌日、全米の映画館で封切られ
た映画を私はニューヨークで見た。
同映画に登場する関屋貞三郎宮内次官の孫にあたる奈良橋陽子がプロデュ
ーサーとして企画し、息子の野村祐人が共同プロデューサーを務めるという
異色のハリウッド映画として注目される。
基本的には史実に基づいて製作されているがフィクションも多く、主人公
であるボナー・フェラーズ准将(マッカーサーの軍事秘書官)に関する、映
画では紹介されていない重要な史実について補足したい。
それはフェラーズが対日心理作戦をリードし日本人の心に戦争に対する罪
悪感を植え付けるためにGHQ(連合国軍最高司令部)が行った「ウォーギ
ルトインフォメーションプログラム」(戦争犯罪情報宣伝計画)に深く関わ
った人物だということだ。映画では「天皇の大恩人」として描かれている。
これも確かな史実ではある。しかし、彼のもうひとつの顔を見落とすべきで
はない。
昭和20年8月8日、マッカーサーは情報頒布部を創設し、フェラーズを
その責任者に任命した。情報頒布部というのは、1944年、戦時情報局
(OWI)に創設された心理作戦部を引き継ぐものだった。
情報頒布部はのちにGHQ民間情報教育局(CIE)となるが、その主要
スタッフはフェラーズの指示によって任命された戦時情報局出身者だった。
CIEはOWIやOSS(戦略諜報局)の対日心理作戦研究(ルース・ベネディクトは其の「国民性研究チーム」の一員)の成果を踏まえて、日本人を「精神的武装解除」させるウォーギルトインフォ-メーションプログラムを始めたが、「南京虐殺」などの今日の歴史論争の発端はこのプログラムでもたらされたものだった。
その中で日本を一方的に裁いた「太平洋戦争史」(OWIの中部太平洋地
域の責任者であったブラッドフォード・スミスがCIEの企画作戦課長となり、
米国務省が公的な米国史観としてまとめた『平和と戦争』などに立脚して
その執筆責任者となった)が強要されたことによって、自虐史観が広がった。
戦後の教育改革の出発点は彼らによって行われたことも忘れてはならない。
昭和21年1月26日、マッカーサーが米陸軍省宛に送った極秘電報によ
って、昭和天皇を戦犯として裁かないことになったことはよく知られている。
しかし、その電報の下敷きになったのは、フェラーズのマッカーサー宛の覚
書(昭和20年10月2日と同8日付)であったことはあまり知られていな
い。
米スタンフォード大学フーバー研究所およびマッカーサー記念館所蔵のフ
ェラーズ文書によれば、彼はこの覚書において天皇を「象徴(シンボル)」
と規定している。
昭和6年に新渡戸稲造が執筆した『日本―その問題と発展の諸問題』において、「天皇は国民の代表であり、国民統合の象徴である」と明記した天皇観が、教え子である河井道(恵泉女学園創立者)からフェラーズ、フェラーズからマッカーサーへと継承されたことが判明している。
米アーラム大学で知り合った一色ゆりから紹介された河井に、フェラーズ
は前述した覚書の草案を2度訂正してもらっており、彼はマッカーサーの天
皇観は河井の影響を受けたことを認めている。
昭和46年、フェラーズは日本政府から勲2等瑞宝章を贈られた。叙勲推
薦書には、彼は、「わが国天皇の大恩人」であり、皇太子殿下の家庭教師と
して「バイニング女史を推薦して殿下の御教育に貢献した」などの叙勲理由
が書かれてあった。
歴史の光と影の両面を曇りのない目で直視することによって、日本を取り
戻し、未来を切り開くことができる。フェラーズについても両面を見る必要
があろう。
ところで、私は7月の理事会でNPO法人師範塾の理事長も退任し、運動の最前線から1歩引いて、執筆活動に全力を投入している。私にしかできないと思われる膨大な在英米の対日占領文書研究というライフワークに取り組んでいる。
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