以前から注目している問題です。
私は地方分権には積極的ですが、
国防にかかわるような課題はやはり政府判断が優先すべきと考えます。
今後の課題の一つですね。
住民の良識ある判断に期待します。
国境の守り 1100人が選択 与那国町長選告示 陸自沿岸監視隊配備めぐり一騎打ち
2013.8.6 産経
任期満了に皆っ沖縄県与那国町長選が6日告示され、無所属新人の崎原正吉氏(65)=共産、社民、沖縄社大推薦=と自民現職の外間守吉(63)=公明推薦=が立候補した。最大の争点は陸上自衛隊「沿岸監視部隊」の配備で、誘致した外間氏と配備反対派の崎原氏の一騎打ちの構図。尖閣諸島(同県石垣市)周辺で示威行動を活発化させる中国をにらみ陸自配備は待ったなしだが、有権者1100人余りの今回の選挙が計画の鍵を握っている。(半沢尚久)
論点は「経済効果」
崎原氏「町の活性化を自衛隊に依存しない」
外間氏「自衛隊の誘致を進めるのが信念だ」
炎天下での第一声で両氏は持論を展開した。ただ、2人が語る論点は国防上の意義ではなく、部隊配備に伴う経済効果の是非。
【与那国町長選告】(届け出順)
崎原正吉(65) 農業 無新 共産、社民、沖縄社大推薦
外間守吉(63) 町長 自現 自民 公明推薦
崎原氏は陸自を配備しても人口減少に歯止めはかからないと強調し、当選すれば配備計画を中止すると明言。外間氏は陸自
隊員の衣食住で町の経済が潤い、ゴミ焼却場などのインフラ整備でも国の手厚い補助を受けられると主張した。
崎原氏は手続きの瑕疵も追及する。外間氏は6月27日、部隊を配備する予定地として町有地を年間1500万円で賃貸する仮契約を防衛省と結んだが、町有地を牧場として借りている農業生産法人との契約解除を済ませていないからだ。崎原氏はこうも指摘する。
「10億円の『迷惑料』を求め交渉を迷走させ、選挙前に妥結を焦った証しだ」
「迷惑料」で混乱も
「迷惑料」要求は誘致派にもしこりを残した。
平成19年から自衛隊の誘致活動を行ってきた与那国防衛協会の金城信浩会長は「誘致派から独自候補擁立も検討していた」
と明かす。交渉期限だった今年3月末、「迷惑料」要求で防衛省との用地交渉は決裂寸前に陥り会員約80人の防衛協会内でも外間氏への不信感が高まった。
6月27日の仮契約から1週間後の7月4日、金城氏は外間氏と会い、早期の部隊配備完了を条件に外間氏支持を決めた。誘
致派が分裂すれば票が割れ反対派を利するとの判断もあった。
外間氏は直後に出馬会見を開いたが、この決断の遅れにはメリットもあった。金城氏は『民意』が歪められることを警戒していた」と振り返る。
民意を歪める手段とは何か―。早い段階で対決構図が固まれば、反対運動をあおる島外居住者が投開票日の3カ月前までに住民票を移し、選挙人名簿に登録することを指す。
50代の飲食店経営の女性は「なぜ同じ問題が争点として蒸し返されるのか」と疑問を呈す。21年の前回選挙も外間氏と反対派候補が陸自配備を争点に戦い、103票差で外間氏が勝利している。
「南西諸島の防衛に万全を期すため、自衛隊の与那国配備は必要だ」。菅義偉官房長官は6日の記者会見で「国境の守り」
の意義のみを語ったが、候補者の主張との温度差は大きい。
与那国町長選は11日に投開票される。2日時点の有権者数は1128人。
防衛の根幹自治体の選挙が左右
長尾一紘・中央大名誉教授の話
本質的な争点になるであろう陸上自衛隊『沿岸監視部隊』配備は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の防衛に直結し、日本の防衛政策の根幹にかかわる大事な問題だ。前回選挙は103票差で勝敗が決まっており、今回も接戦になれば、わずかな票差で日本の防衛問題が左右されることになる。防衛や外交は国の専権事項であり、自治体が覆すことがあってはいけない。外交、防衛について、事実上であれ、自治体の選挙によって左右されることは、憲法の建前からも問題がある。政府はこの問題に関し、検討する必要がある。
与那国島の位置関係
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