ざこば朝市のお手伝い 文責:吉野久幸(神谷インターン10期生)
ざこば朝市
9月2日、月に一度行われる、ざこば朝市のお手伝いに行って来ました。
ざこば朝市は大阪にある魚の卸売市場のすぐ近くで行われ、野菜や魚の直売、
海鮮バーベキューや競り体験、マグロの解体ショー、魚料理のレクチャーといった
様々なことが催されます。どれも利益をあげるためのものではなく、
子供たちに食べることの大切さを教えたい、朝市を通して卸売市場でやっていることに
興味を持ってもらいたいという思いで、皆さん取り組まれていました。
私は、朝市に来られた方のアンケートを回収してくじ引きをしてもらう、
その作業を手伝わせていただきました。
アンケートに回答することでくじが引けるという仕組みは、来場された方の本音を
しっかりと把握したい、という思いから、しっかりとした景品を付けて無料で提供
しているとのことでした。
そのようなお手伝いをさせていただく中で、市場の方が朝市にかける思いというものを
感じることができました。アンケートを書くだけでくじ引きができるということも
そうなのですが、それ以外にも、採算を無視した競りの体験といったことは自分たちの普段
やっていることを知ってもらい、その感想を聞きたいという思いに尽きるのでしょう。
その1つの例として競りの体験と料理のレクチャーがあります。
競りの光景はテレビで見かけることはありますが、実際に自分で経験したことのある人は
少数でしょう。また、競りのように魚を一匹丸ごと買っても、さばける人が少ないということが
あります。そこで、この機会に競りを体験してもらい、場合によってその料理の仕方も教える、
といった参加する人への心遣いが表れていました。
食べることを考えなおす
今回のお手伝いを通して、私は改めて食の在り方について見直す必要性を感じました。
実に多くの人が、市場で魚を一匹丸ごと買って調理することはしません。
既に調理されたものか、スーパーで切り身になっている魚を買うかのどちらかでしょう。
そのためか、市場で起こっていることが自分には関係ことのように思えてしまうのです。
しかし、実際には惣菜や切り身になる過程で、誰かが魚を加工しているのです。
そういったことを他人に委ねるようになることで、自分が命をいただいているという実感も
薄れているように思います。ですが、自分自身の手で魚をさばき調理していくことで、
命の犠牲の上に自分たちの食事が成り立っていることを少しでも実感できるのではないでしょうか。
今回の競り体験で売っていたのは切り身になった魚ではなく丸ごと一匹です。
買った人でさえも、どう調理しようか迷っていました。
しかし、そこから食材に向き合うことで、自分たちの食の在り方を考えなおすきっかけに
なるのではないでしょうか。少なくとも私は、今回お手伝いをしながら食の現場に触れるなかで、
今までの自分の食べることへの認識を改める機会になりました。
文責:吉野久幸(神谷インターン10期生)