日々の活動やニュースに対する考え、視察の報告などをブログにまとめています。

メイン画像
神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「微博(ウェイボー)」の驚異

ブログ |

「微博(ウェイボー)」については前回の中国視察でもその普及について聞いていた!

中国の新幹線事故も「微博(ウェイボー)」で情報が広がり、政府が隠蔽できなかったと聞いた。

それにしても2000万人とはすごい。

日本なら国民の六人に一人がフォローしていることになる。

首相公選制になれば間違いなく総理です(笑)

共産党も大変だ、、。

photo:01


人民日報脅かす「微博女王」 フォロワー約2000万人

産経新聞 2012/05/10 12:28

【石平のChina Watch】

 中国人は今、「微博(ウェイボー)」と呼ばれる中国版ツイッターをよく使っている。インターネット大手・新浪が運営する微博サービスの登録利用者数は3億人を超え、発信件数は1日1億件に達しているという。
 言論の自由がひどく制限されているこの国の国民にとって、140字のコメントが書ける微博は、自分たちの意見を発信する大変便利な手段となっている。
 微博利用者の中で特に有名なのは女優の姚晨さんである。彼女へのフォロワー数は一時、1919万人に達したことがあり、姚さんは複数のメディアから、「微博女王」の愛称を贈られている。
 姚さんの微博は一女優としての世界を超えて、さまざまな社会問題に広く言及しているのが特徴である。たとえば昨年7月の高速鉄道追突事件では、政府の弁護に回った専門家の見解に対し、彼女は微博を使って真っ先に反論したことがあるし、政治的腐敗の象徴として取りざたされている官僚の「公費飲食」問題を取り上げて痛烈な批判を浴びせたこともある。「美人女優ながら社会派微博発信者」という姚さん独特のキャラクターは、その絶大な人気の源なのである。
 この姚さんは今、国内の既成メディアの代表格である人民日報から注目の的となっている。去る4月26日、人民日報社の張研農社長は上海復旦大学の学生たちとの懇談で、ネットなどの新興メディアが急速に普及していることに対し、人民日報が大変な危機感を覚えているとの話をしたが、その中で彼が自分たちの恐れる新興メディアの具体例として挙げたのがまさに姚晨さんのことであった。
 「人民日報の購読部数は約280万部なのに姚晨さんの微博のフォロワー数は1919万人もいる。人民日報の購読部数の7倍に近い数字だ。わが人民日報はたった1人の女の子に負けているのではないか」と張社長が、やや自虐気味の口調で嘆いているところが、翌日には多くの新聞紙の紙面を飾るネタとなり、「人民日報は微博女王のことで危機感を覚えた」との話題が全国で大きな反響を呼んだのである。
 姚晨さんという1人の女優の発信する微博が人民日報の購読者数をはるかに超えて多くの国民の支持を得ていることは中国社会の激変を象徴するような注目の出来事であろう。
 これまで、政治権力は情報の発信権を独占することによって言論の統制を行って体制の維持を図ってきたが、今や、ネットの普及によって独占状態が完全に打破されただけでなく、情報発信の主導権は徐々に、人民日報のような官製メディアの手から姚晨さんのような普通の人々の手に移りつつある。姚さんのような人が「反体制」の立場に立たなくても、情報発信の主導権が彼女たちによって握られるようなこと自体が、体制にとっての深刻な危機なのである。 
 それが故に、共産党政権は最近、微博に対する取り締まりの強化に躍起になっている。昨年12月、当局が「微博上のわいせつ情報や低俗情報への取り締まり」と称して206のアカウントを一斉に閉鎖したのも、今年4月、例の薄煕来氏失脚事件との関連において当局が「デマを流した」として新浪微博の一部機能の停止を命じたのも、すべては統制強化の一環であろう。
 しかし体制がいくら必死になったとしても、数億人の微博利用者を統制下におくようなことは物理的にもまず不可能だし、国民の多くが人民日報よりも姚晨微博を愛読している事実を変えることもできないだろう。時代の流れは確実に、独裁体制弱体の方向へと向かっているようである。

 【プロフィル】石平(せき・へい) 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

iPhoneからの投稿

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加