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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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東北視察  文責:横山浩・堀口みさき

スタッフブログ |

被災地、南三陸町をおとずれて 文責:横山 浩(神谷インターン9期生)

いつもお世話になっています。9期インターン生の横山です。

3月24日にユナイテッドアースの佐藤さんに被災地、南三陸町を案内していただきましたので、

1.被災地の現状、

2.被災地における政治の必要性等を以下、個人的感想を交えて報告させていただきます。

1.被災地の現状

がれきの山.JPG

1) 初めて被災地を訪れて私は唖然としました。「震災から1年も経過しているのだから、

被災地といってもずいぶん復興しているんだろうな」と私は思っていました。

しかし、現状はそんなに甘いものではありませんでした。被災した住居は流されたままでその跡地には

なにも建設されておらず、瓦礫はあちこちでビル3階建てぐらいの高さまで積み重ねられていました。

先月にはその瓦礫の中から遺体が発見されたそうです。

2) もっとも、私がお会いした被災者の方々には「なんとかするぞ」という活気を感じました。

「あれだけの被災をし、こんなにも復興が進んでいないのだからかなり気持ちが後ろ向きに

なっていらっしゃるのだろうな」と思っていましたが、お会いした方々は笑顔で冗談を交えながら

漁業や復興市に一生懸命取り組んでおられ感心させられました。佐藤さんによると、

南三陸町は役所ごと流されてしまったため、「自分たちでなんとかしよう」という活気が

他の被災地と比べより一層強いそうです。また、佐藤さんはこうも教えて下さいました。

「たしかに、今日お会いした方々には元気で活気があるけど、そうでない人ももちろんいる。

そして、あの人たちの笑顔の裏にも大変な苦労があったことをわすれてはいけない」と。

3) 一方、ボランティアの方々はというと、大変な苦労をされているにもかかわらず、

活き活きとされていました。5か月間テントで寝泊まりしたり、自分の世界一周旅行ための費用を

すべてボランティア中の滞在費用としたり、長期の休暇がとれないからと被災地に10回訪問

されていたり、私には考えられないような苦労をされているにもかかわらず、

「なにかボランティアでこまったことはありませんか?」と伺っても「なんだろう?」とさして

思いあたらない様子でした。佐藤さんに「なぜそんなことができるんですか?」と伺うと、

「困っている人が目の前にいるのに放っておけないよね」という旨の返答をしてくださいました。

おそらく、ボランティアの方々は人に奉仕することの本当の喜びを知っているのだと思います

。私はこれほど気持ちの良い人たちが多くいらっしゃることに感動させられました。

また、大学をやめてまでボランティアに参加している19歳の子がいて、「お金がない」

「大学がある」というボランティアに参加しない私の理由がいかに通用せず、いかに被災者に対する

思いがないかを思い知らされました。

2.被災地における政治の必要性

1) 町には活気があり、思いあるボランティアの方もいらっしゃる。

では、なぜ復興はこれほど停滞しているのでしょうか。ある方は政治が原因だと答えてくださいました。

利権構造とそれによるしがらみが議会にはできており、「私のところがさき、私のところがさき」と

議員は自分の利権を確保するため、自身の選挙区のことばかりを考え全体としての復興をかんがえない

ことが復興の停滞を生じさせているそうです。

2) そこで、私は佐藤さんらに出会い、このような素晴らしいボランティアの方々に復興の計画、

斡旋などをすべて任せてしまい、行政・政治は金銭的援助に専念すれば復興が早く済んでよいのでは

ないかと考えました。しかし、佐藤さんは行政・政治の力は必要だとおっしゃいました。

というのも、民間の規模でできることには限界があり、ボランティアの県単位の分配など大きな規模を

もつ行政でないと扱えないからでそうです。

特に、東日本大震災に被災地は南北に400キロ、東西に200キロと広範囲にわたり、

その被害態様も原発、津波とさまざまであるため、復興には政治の力が必要なのです。

自身の利権にとらわれず、おおきな視点で復興を考えることが政治には求められています。

被災者とボランティアの方.JPG

3.被災地を訪れて

本視察を通じて特に印象的だったのは、被災者の方々がボランティアの人々に対して本当に感謝されて

いたことと被災地とそれ以外の地域の温度差です。

今回、主に佐藤さんに被災地を案内していただいたのですが、漁場の方、福興市の方など行く先々で

出会った被災者のみなさんは佐藤さんなど復興に尽力するボランティアの方々に本当に感謝しておられました。

そして、その感謝されているときの佐藤さんの笑顔が特に素敵でした。今回の視察でイベントの主催方法を

教えるなど被災者の方々に欠けているものをボランティアの方々が提供する姿をみて「人は1人では

生きていられず、誰かとの支え合いによって生きられるのだな」とあらためて気づかされました。

そして、相手に感謝し、「ありがとう」などの形で感謝の意を相手に示すことで人と人は支えあっていける

のだとおもいます。

また、本視察で現地を訪れることの重要を知りました。

前述したとおり、私は被災地の復興がこんなに進んでいないとは思いませんでした。

そして、ボランティアの方もこのことを危惧されていました。

TVなどによる情報の取得は確かに容易ですが、実態を十分に把握できないおそれがあり、

また編集等の結果、意図的に情報に接しようとしなければ情報に接することができず、

その事実が解決してしまったかのように錯覚してしまいます。とすれば、当然現地の人とそれ以外の人の

意識は乖離していきます。このようにして、被災地の人とそれ以外の人の意識は離れていってしまいます。

被災者の方は私達が考えている以上にまだまだ支援を必要としています。

そして、その支援の方法には物質的、人的な支援だけでなく、現地の政治を良くするためにちゃんとした

国会議員を選ぶことも含まれると私は思います。

これからはなるべく現地の人の話を聞き、さまざまな形で支援していきたいです。

文責:横山 浩(神谷インターン9期生)

東北視察    文章:堀口みさき(神谷インターン9期生)

3月25日

東北地方にある、宮城県に視察に行きましたので報告させていただきます。

震災後1年が経ち、テレビでもあまり報道されず、話題にも全然出てこなくなったため、

意識が薄れ東北のことを考える時間が減り、忘れかけていました。

震災当初は「大変だな、かわいそうだな」と思うだけで、ボランティアをすることもなく、

ただ少し募金をするだけでした。

東北写真1.jpg

しかし、実際に仙台へ被災地の現状を目にしたとき、正直とても驚き、

自分の意識の低さを感じました。テレビでガレキの処理問題のことを報道から

想像できなかった量のガレキの山々、まだまだ復興しきれていない街、

津波で流されて跡形もない家、住むところが無くなって仮設住宅で住むたくさんの人々が

被災地にいました。これが震災から一年経った現状でした。

震災後ほとんど何も変わっていない現状に対し、被災地の情報量は震災当時にくらべかなり減少し、

それによって私たちの被災地へ対する意識が低下してきています。

私たち被災していない人間は、被災者のために行動を起こした人は何人いたのだろうか、

被災者、被災地について本気で助けたいと考えた人は何人いたのか、そのようなことを考えました。

この日お世話になりました社会貢献共同体UNITED EARTHさんのところでは、

ボランティアをしている人が60人ほどおり、仮設住宅のコミュニティ作り、

漁業支援、老人福祉センター、子育て支援をメインに活動しているそうです。

子育て支援のボランティアしている人の話によりますと、子供たちは、

とても無邪気で無知なところもあるからこそ、悲しみも乗り越えており、

だからこそ強くなっているそうです。「もし、私がその時に、、、」と

考えると無邪気であっても一生忘れることの出来ない、大変辛い思い出に

なってしまっただろうと考えると心が痛みました。

そして、家族の大切さというものをあらためて感じることができました。

その後、語り手の方に話を聞くことが出来ました。

語り手の方に、「津波で家族を無くし、未だ見つからない人もたくさんおり、震災が起こってから

毎日のように見つからない妻を探す人、目の前で家族が流されるのを見ていた人、

友だちを無くした人たちがおり、大切な人を無くしていない人のほうが少ない」という話を

していただきました。

そして、自分が過ごしてきた一年間を振り返ってみると、とても自分に腹が立ち、

情けなく思いました。働きたくても、仕事場が流されてしまい、働けない人の1日を、

私はその人たちの分もがんばって働いていたのだろうか。自分のしたいことを我慢してまで、

被災地を復興させるために毎日がんばってボランティアしている人たちの1日を、

誰かの役に立てていたのだろうか。生きたくても生きられなかった人の大切な1日を、

私は一生懸命生きていたのだろうか。たくさんのことを自分に問いかけてみましたが、

何も出来ていませんでした。

東北4.jpg

むしろ、全てのことが「当たり前」になっていて、1つ1つを大切にしたことの方が

少ないかもしれません。

「当たり前」が「当たり前ではない」ということ、いつなにが起こってもおかしくないということ、

南三陸で見たもの、聞いたことを、一生忘れずに私はこれから、被災した方の分も、

1日1日を大切に、全力で生きていこうと思います。
文章:堀口みさき(神谷インターン9期生)

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