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神谷宗幣 (かみやソウヘイ)
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大飯原子力発電所視察 文責:田中・岩田

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大飯原子力発電所視察 文責:田中・岩田

2月24日

今日は朝から吹田市役所に集合して、福井県の関西電力・大飯原子力発電所の見学に市議員の方々や市職員の方々と一緒に行かせていただきました。

原発と聞くと、昨年の3.11東日本大震災の福島原発を思い出しますが、私たち大都市圏に住む人々は、遠く福井県から送電されてくる電気のことや原発と共に生活している地元の方々の状況を日ごろ意識することは少ないのではないでしょうか。今回の視察はそういう意味でも大変意義のあることだったと思います。今回は訪れた原発について書きたいと思います。

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バスで大阪から二時間半ほどで福島県大飯郡の原子力研修センターに到着しました。そこでは、関西電力の社員の方が、一般見学者や視察来客に原子力発電の概要や施設内の具体的な機器の説明レクチャーをされています。

施設内では、社員が訓練を受れるように大飯原発の内部施設が再現されていて、制御棒のしくみと作動方法、加圧水型炉(PWR)と沸騰水型炉(BWR)の違いなどを模型を使って説明していただきました。そして、昨年の3.11以降の津波対策や原子炉の緊急停止の実演もしていただき、非常時でも万全の対策が採られていることが伝わってきました。

原発は一度運転開始をすると、簡単には停止できません。もし止まってしまえば、再開には入念なチェックや国への安全確保証明の提出、それが受理されれば運転の許可が出ます。原発を停止させるには、

・止める

・冷やす

・閉じ込める

という3つを完了しなくてはいけませせん。大飯原発の原子炉は加圧型炉で、汚染された水は原子炉格納容器内で循環されるので、発電機を回す蒸気やタービン建屋は放射能汚染されません。汚染水が通る蒸気発生器の細管の損傷など不安要素はありますが、そのような過去の部品損傷事故や都合の悪いこともちゃんと見学者に公開する部屋が用意されていたので意外でした。

そして、原発事故の影響を広範囲に拡大させたのが水素爆発です。しかし、大飯原発は建屋の容積も比較的大きいので水素が発生した場合でも濃度が高くならないため安全です。一方で、東京電力は沸騰水型炉を採用しており、昨年の原発事故で水素爆発が起こった原因として原子炉格納庫の容積が小さかったことだと言われています。「もしもを言うのはあまりいいことではないかも知れませんが、事故を起こした原子炉がもしも容積の大きい加圧型炉であったならば、水素爆発は起こらなかったのではないか」とも言っておられました。

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研修センターでは、大飯原発の原子炉の模型をこの目で見学することができます。実際に水が湛えられていて、水深の深さからでしょうか、ブルーの色が神秘的に見えます。水は放射能を通さない性質がある為、原子炉格納庫内でも自然界と放射線量はさほど変わらないと知りました。

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また、今回の見学会を実行していただいた関西電力北摂事務所の社員の方に「今、都市圏で行われている節電は、どのくらい節電に役立っているのでしょうか?」と聞いたところ、現在の日本の電力の消費は大半が一般家庭と会社オフィスで、工場や企業の努力では既に限界があり、一般市民の一人一人の節電に対する意識が大事だと言っておられました。原発の廃止論争もあるが、現代社会の便利な生活基盤を捨てるか、原子力発電の代わりになる安定的で質の高い電力供給源があるのか、を現実見ながら考えなければならないと言われ、今後、日本がどのような生活スタイルで、どのような産業を伸ばし、都市設計をどのようにするのか、といった大きな問題も考えなければならないと思いました。

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関西電力としても今回の震災を受けて、原発に固執するのではなく、新しい再生可能エネルギーにも取り組んでいくという意思は感じられました。今回の原発視察は本当にいろいろ考える機会になりました。理想論だけ言っているのではダメで、現状とベストミックスに至るまでの過程をどのように設計するのかが、将来の社会を生きていく若者が今一番考えなければならないことだ、と痛感しました。また、今回の事故を教訓として、日本国内だけで議論するのではなく、国際社会にも日本の経験を発信し、その地域にあった改善策を共有・理解しなければ、いずれまた世界のどこかの国で取り返しの付かない大事故が発生するのではないかと恐怖も感じます。

大きな話になりましたが、最後に吹田市と原発の関係についてです。

1970年に吹田市で開催された大阪万国博覧会の会場では、開幕式に「原子の灯」として、福井県から電力が送電されました。「万博に原子の灯を」のスローガンに、関西電力・関連会社が一丸となり建設した原発は立派にその役割を果たし、その後40年あまり人々の生活を支えてきました。そのような関係がある吹田市と福井県の原発は今後も相互に関心を持って、周囲を巻き込んで共に問題解決に向けて協力していかなくてはいけないと思いました。

文責:田中竜彦(神谷インターン9期生)

福井原発視察

8時~ 出発

バスに乗って福井まで行きます。道中では関西電力の方が簡単に分かり易く原発について説明してくださりました。

11時~ 研修センター視察

福井に到着し、研修センターの視察へ向かいました。研修センターとは、原発で働く作業員の方達の訓練施設で、実際に原発で使われている用具や模型などがあります。この研修センターができたのは、昭和54年に2件たて続けに作業員のミスによる事故が起こり、作業員のよりきちんとした育成が必要だと考えられたからだそうです。ここでは、原発とはどのようなものなのか、どの様に発電がおこなわれる仕組みになっているのかをお聞きしました。

みなさんは原発と一口に言っても発電の仕方に2種類あるのはご存知でしょうか?

沸騰式と加圧式の2種類があり、沸騰式のほうが、放射性物質を含む作業現場が多いのだそうです。ちなみに福島で事故があったのは沸騰式で福井は加圧式だそうです。

14時~ エル・パークおおいり・大飯原発視察

昼食後、エル・パークおおいりに向かいました。ここでは研修センターでうかがったお話をもっと分かり易く模型などをつかって説明してくださりました。その後、実際の原発へ向かいました。そこで感じたのはとにかく規模が大きいということです。また、施設自体がしっかりしていると感じました。テロ対策が厳重で、外部から危険を持ちこまないように気をつけていらっしゃると感じました。

<感想>

実際に視察に同行させていただいて感じたことは、私は「原発=怖い」という固定観念があり、何も知ろうとしていなかったなと反省しました。原発といっても2種類あることは知りませんでした。なにより、衝撃を受けたのは、関西電力の方たちの原発に対する熱意でした。現在、福井原発は稼働していませんが、1日でも早く稼働できるようにしたい!一般の方の固定観念をなくしたい!と考えていらっしゃることがひしひしと伝わってきました。こんなに原発に対して尽力しておられる方がいるとういうことをもっとみなさんに知っていただきたいと感じました。

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文責:岩田真歩 (神谷インターン9期生)

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