龍馬プロジェクト 第一回九州研修会 文責:尾崎・堀口(神谷インターン9期生)
知覧視察 平成24年2月28日
鹿児島視察の初日は戦前、特攻隊基地が置かれていた知覧に向かいました。そこで当時政府から指定を受け、出撃する隊員の世話をしていた富屋食堂のおかみであった鳥浜トメさんのお孫さんである鳥浜明久さんのお話を伺う事が出来ました。
鳥浜さんは「特攻平和会館などに展示してあるような資料では、特攻隊は皆笑って立派に死んでいったとなっているが、実際はそうではなく、泣いていたり、怖くなって途中で引き返した隊員もいたし、今の若者と同じように恋人を思ったり、あるいは大切な人を思ったりして、皆生きたいと思っていたんだよ。」とそのようなお話をされていました。
その中で様々なお話をお聞きすることが出来ましたが、私自身が一番大切だと思ったのは当時の特攻隊員が何を考え、どういった想いであったか、そしてその想いの上に私たち現在の日本人が存在しているという事を確認するということです。
私たちは日常においてはどうしても目の前の事、何か自分に利益のある事、楽で楽しい事、そのような事ばかりに視点が向かってしまい、今自分がどのような立ち位置にいるのかなどの大きな視点を持つことを忘れてしまっています。もちろん楽しい事をして息抜きすることは大切なことではあります。しかしながら、皆がそればかりを考えていたのでは、社会が成り立ちません。
特攻隊員の方々も決して死ぬことを望んでいたのではなくて、生きたかったのだと思います。しかしながら、戦争下の当時の状況として仕方がないという側面もありました。アメリカ軍はどんどん攻め込んできて、このまま相手の攻撃を許していると本土にまで来てしまう。そうなれば、無数の国民が殺害されてしまう。自分の愛する人、故郷が無くなってしまうかもしれない。でも、ここで自分が戦えば、一日でも数時間でも相手の侵略を止めることが出来る。そうすれば、愛する人、愛する国を守ることが出来る。きっとこのような想いの中で出撃していかれたのだと思います。
もちろん、特攻隊員の方々も一人間ですから、当然出撃したくない、もっと生きたい、いろんな想いが私心としてあったと思います。鳥浜さんのお話でも、出撃されたものの、やはり途中で怖くなり、引き返してこられた隊員の方も多くおられたそうです。しかしながら、そんな中でも出撃された隊員の方々の中には上記のような公の心もあったと思います。
私はここが一番大切なことだと思いました。特攻隊員は軍国主義の犠牲者だと決めつけるのは簡単です。戦争もない現代においては命こそが最も大切なことだとそう思ってしまうのも無理はありませんし、実際に命は大切であるとは思います。しかし、繰り返しになりますが、その大切な命を投げうって出撃された多くの私たちの先輩方がおられ、その方々の犠牲の上に私たちが存在しているという事が重要で、そのことを私たちは今一度認識すべきであり、特攻攻撃が良い事なのか悪い事なのかを現在の価値観や物差しで判断するのは意味がなく、実際にそのようなことがあり、その歴史の連続性の上に私たちが立っているということこそが一番大切なことなのだと思いました。
そう考えた場合に、特攻隊員の方々を「笑って死んでいった、軍国主義の犠牲者」と見るのではなくて、「私たちの為に戦ってくださった立派な方々」として顕彰すべきではないのかなと思いました。それが、戦後は間違った伝えられかたをされたために、特攻隊員の方々の名誉が不当に汚されています。現在のこのような時代であるからこそ、私たちは今一度歴史の真実を見つめなおさなければいけないとそう感じました。
文責:尾崎剛(神谷インターン9期生)
室舘勲氏講演会 平成24年2月28日
室舘氏は現在キャリアコンサルティングという会社で主に「若者の戦力化」ということをテーマに様々な事業を行っていらっしゃいます。ではどうすれば良いか、そのようなことから、ご講演は始まりました。
お話は室舘氏自身のこれまでの人生を振り返ったような形だったのですが、実は室舘氏自身も、現在はこのような立場におられますが、昔は今の若者と同じような悩みを抱えていたそうです。その悩みとは上がり症であったり、どこか劣等感を感じたりというもので、まさに現在の若者の多くに共通しているものです。悩みを抱えていた自分だからこそ、若者に指導が出来ると思い、指導に当たっておられます。
室舘氏のお話を聞いて、特に印象に残ったのが「今やれることを精一杯やれ。」ということでした。例えば、人脈をつけたいと思った時に、私たちはセミナーや勉強会に参加するなど、どうしても安直で楽な方法で成果を出そうとしてしまいます。しかしながら、いくらそんなところに行っても、自分自身が相手に取って付き合いたい相手でなければ、決して人間関係を築くことが出来ません。それよりも、「今自分が出来る精一杯のことをして、ゆっくりだけれども、コツコツと関係を積み上げる方が結果として人脈などにも繋がるので、焦らなくてもよい」と仰っていました。
このことは非常に重要なポイントだと思いました。例えば、自分で何かしたいと思っても、一人では出来ないことが多いです。そんな時に口だけ立派なことを言っていても、人は決して集まりません。それよりも、自分に出来ることを精一杯やり、相手にとって本当に必要とされる存在にならなければいけないと思いました。これは物凄く難しいことではあります。しかしながら、相手にとって自分はどんな存在かを考えて行動出来るようにならなければ、いつまで経っても独りよがりで何も出来ない人間になってしまいます。私自身はこのことが全然出来ていません。反省も込めて大いに自覚しなければいけないと思いました。
その他にも、「結果を出したければ努力をしろ」、「目標を作り、達成する中で勝ち癖をつけろ」、「器を大きくしろ」、「感謝の心を忘れるな」等本当に大切なことをたくさん教えて頂きました。一つ一つは些細なことかもしれません。どこかで聞いたことがあるようなフレーズばかりです。しかし、これらを本当に実行できているかと自問自答すると、ほとんど出来ていないことに気づきました。人として、当たり前のことが出来ていない状況で何を言っても、意味がありません。そのことに改めて気づけたのをチャンスにこれからの人生を生きていきたいと思います。
文責:尾崎剛(神谷インターン9期生)
奥健一郎氏講演会 平成24年2月28日
九州キャラバン研修会にて、鹿児島大学教授であられます奥健一郎氏のご講演を聞かせていただきました。
奥先生によりますと、心は、霊性心、理性心、本能心の3つで構成されているそうです。
私は、理性心や本能心は知っていましたが、霊性心とは聞いたこともなくその言葉自体の意味を知りませんでした。しかし、霊性心こそが、3つの中でも特に重要なものであるということです。
霊性心は、良心や発見、インスピレーション、ひらめきを表しているとお話いただきました。現代では裏付けのあることや合理性を大事にし、見えざるものである良心は置き去りになっていると感じます。理屈や本能とはまた違う見えざるものこそが人に道徳心や人を思いやる心、将来への明るいビジョンをもたらしてくれるのです。
この3つがすべて揃うことで心となるのです。
幕末時代では、坂本龍馬が日本を変えました。しかし、それは1人のではなく日本国民全体で力を合わせたからです。
今の日本には、みな他人事であり自ら日本を変えようと思っている人はあまりいません。地域経営や現代人の歴史観、なぜ日本が今のようになってしまったのか、様々な問題があるとおっしゃっておられました。
他人事ではなく、ひとりひとりが我がことと思って行動を起こそうという龍馬プロジェクトの考えは奥先生が考えておられたことととてもよく似ており、共感できるものとだとお話いただきました。ただ発想だけではなく、行動に移しビジョンを実現させることが大切であるとお言葉をいただきました。
ご講演の冒頭に国家とビジネスの目的は同じであるというお話をしていただきました。
国家は国民のために、ビジネスにおいては顧客のためになる仕事をしますというのが目的であるということでした。
私は、偉そうなことは言えませんが、今の政治というのは国民の立場で行われているのか?政府は自分のことを優先的に考えて活動しているのではないか?目先のことばかりを考えているのではないか?と疑問が浮かびました。
本来は良心からくるはずのインスピレーションが目先の狭い範囲の人のためにつかわれていないか、政治は国民を幸せにするために行われているのだろうか。
今、政治にもっとも大事なことは遠い未来のことを考えビジョンを示し、いかに自国を守り、発展させることができるかだと思います。
神谷議員インターンシップで今回のような研修会にも参加させていただきながら、この1ヶ月間は、ただ講演をきいてよかったな、すごいななどと思うだけで終わっていたように思います。しかし、それでは意味がありません。今回の奥先生だけに限らず、全ての講演や様々な方のお話の内容をもう一度よく思い返し、自分に置き換えてみて内容を理解し、まわりに伝えていかなくてはと思いました。
奥先生のお話はとても興味深く、今後もし機会があればご講演をきかせていただきたいと思います。
文責:堀口みさき(神谷インターン9期生)
ヨコミネ式保育園視察 平成24年2月29日
今回は、ヨコミネ式教育法をとりいれておられる鹿児島県志布志市にあります「たちばな保育園」へ視察に行かせていただきました。
以下、ご報告をさせていただきます。
ヨコミネ式は「読み、書き、計算、体操・かけっこ」の自学自習を基本とし、子供たちのやる気を引き出し、基礎能力を高め子供の持つ素晴らしい才能を開花させるという教育法です。また、「心の力、体の力、学ぶ力」をつけさせ、子供たちが生まれ持っている「可能性」を最大限に引き出すというものです。
この自学自習は順応性が高い10歳までに身につけさせます。そうすることで、「読み、書き、計算、体操・かけっこ」が出来ない子はいなくなり、全ての子供たちが出来るようになるそうです。
私はこれを聞いたとき、「それぞれの子供の才能や運動神経には差があるため、体操にいたっては1人くらい出来ない子がいるだろう。」と思いました。しかし、実際に体操の様子をみせていただき、私の考えは間違いだと気付きました。驚いたことにたちばな保育園の園児の中には出来ない子は1人もいなかったからです。
いままで私は勉強でも運動でも出来ないのは能力の問題だと思っていたふしがありました。しかし、今回の視察を通して単にやらせていないだけだということに気づかされました。子どもには誰しも可能性があり、それを引き出すことが大人の責務であると学びました。
もうひとつ驚いたことがあります。ヨコミネ式の教育を受けている子どもたちのいきいきとした顔と物事に対する積極性です。年々子どもたちの能力や積極性や意欲が低くなってきているとよく耳にします。しかし、今回の視察でそのような子は1人も見受けられませんでした。
私はヨコミネ式教育法を取り入れれば、若者の意識は変わると確信しました。この想いを周りにどう伝えていくのか、将来の子どもたちのために今何ができるのかを考えようと思います。
文責:堀口みさき(神谷インターン9期生)