加地教授の以下の記事を読んで皆さんはどう思われますか?
古臭いとお感じですか?
私は今こそこうした発想が大切だと思います。
きっと学生も望んでますよ。
生きること。
学ぶこと。
国のこと。
若者がもっとリアルに考える機会が必要です。
立命館大教授・加地伸行
9月入学前に自衛隊入隊
2012.2.26 03:11
40年前、私は台湾に留学した。暑かった。わけても7月はすごかったが、驚いたことに、その時期に大学進学のための全国統一試験が、国家によって行われていたのである。
台湾の大学は、国・公・私立を問わず、この試験だけで入試の合否を決めるので、親も子も必死。
試験当日、付き添いの親がたくさん来ていた。昼食の用意をしてだ。しかし、会場側では付き添いのための休憩室などまったく準備しないものだから、炎天下、親たちは日陰を少しでもと求めて、あっちへうろうろ、こっちへうろうろ。
そこでこんな名句がある。受験を「考(こう)」、肉などを食べるために熱い火であぶることを「●(こう)」と言うが、中国語の発音でもともに「カオ」なので、「学生(スエシェン) 考(カオ)、父母(フームー) ●(カオ)」と。 そんな暑いときになぜ入試をするのかと言えば、欧米の場合と同じく9月入学だからである。
日本は4月入学であるが、東大が欧米などに合わせて9月入学にしたいと発議した。早速、諸大学が賛否いろいろ反応した。これから議論が深まってゆくことであろう。
ところで、その反対論を読んでみると、入試が2月・3月なので9月入学までの約半年の空白をどうするのか、授業料はどうなるのか、就職期との関係はどうなるか等々、手続きや制度やゼニカネの話がほとんどであり、国家的な観点はない。賛成論があったとしても、東大が言っているような〈国際化〉などという外国に合わせた話にすぎない。
私はまったく別の観点で9月入学に賛成し、こう提案する。空白の半年間は、自衛隊に正規入隊せよと。
国立大学の教員・学生は、いったいだれのお蔭(かげ)で研究・教育の場を与えられているのか、分かっているのか。もちろん国民の血税のお蔭ではないか。とすればまずは国家に感謝し国家のために尽くすべきである。
また、外国からの攻撃を受けず、平穏に研究・教育を続けられているのは、自衛隊のお蔭である。
とすれば、国立大学男女新入生(私学も希望者参加)は、まずは国防の大切さを実感するために、自衛隊において、将校でなく一兵卒として諸訓練を受けよ。そして受験勉強で柔(やわ)になった身体や世間知らずの小理屈を敲(たた)き直せ。
半年、行軍・柔道剣道・水泳などで身体を鍛え、救命方法やクレーン車を動かせるまでの技術を学び、合宿中多様な友人を作り、国家とは何かを談じ合い日本人の自覚を持て。
それは、個人の意識・身体の革命となるのみならず、自衛隊の価値、延(ひ)いては国防力を高める。なぜなら〈すぐれた国、日本〉の中心的大学生が国防への認識や覚悟を深めることに近隣諸国は脅威を感じるであろうからである。
半年後、研修旅行として自衛艦に乗り、北方四島・尖閣諸島・竹島・硫黄島等々を回遊することだ。
以上のための、公務員としての給与や国費による隊生活費などを出せる法整備や予算などを、防衛相は文科相と合議せよ。コーヒーなど飲んでいる暇(ひま)はない。
「子曰(いわ)く、〔軍事を〕教えざる民を以(もっ)て(用いて)、〔外国軍と〕戦うは、是(こ)れこれ(民)を棄(す)つと〔同じを〕謂(い)う(意味する)」と(『論語』子路篇)。(かじ のぶゆき)
●=火へんに考
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