今年3回目を数える吹田の教育研究大会が8月21日に行われました。
インフルエンザの影響で夏休みが短縮されたため、研究大会の日程がずれて少しプログラムが短縮されたのが残念でしたが、
今年も楽しみにして参加させていただきました。
当日は5つの分科会が開かれたので、4人のインターン生とそれぞれ分かれて参加したので各分科会の報告をさせていただこうと思います。
A分科会
授業力UP!-豊かな学びのある授業を創るためにー
この分科会は、教師間の授業研究の実践事例報告や各教科のモデルとなる授業の提案をしていました。
事例報告では、すべての参加者が能動的に議論に加わることができるように、付箋紙や摸造紙を使ったり、
グループ協議をおこなったりしているということが発表されました。このようにすることで、他の先生方の考えをより多くきくことが出来、
新しい発見や教師間の結束が深まっていくようでした。
モデル授業の提案では、体育の授業に音楽をいれて水への抵抗感を無くす工夫だったり、美術の授業にババ抜きやかるたの要素をいれることで、
積極的に絵の自分なりの解釈を見出す工夫をされたりしていました。特に、国語のモデル授業のやり方は、児童にとって、
取組みやすい工夫がなされていると思いました。自分で考える時間、二人で考える時間、5・6人のグループで考える時間、
そしてみんなで考える時間と、目的に応じて使い分けておられ、また、その目的や所要時間を予め児童に言っておくことで、
児童も今何をすべきかわかった上で、課題に取り組んでいました。
このように、吹田の先生方は、児童や生徒がより深い学びができるように、積極的に工夫されており、
会場は先生の熱い想いが溢れているように感じました。
B分科会
明日からのよりよい授業のためにー英語教育・
情報教育での提案ー
この分科会ではまず、電子ボードやCDといった機器を使用し、
日本人の先生だけで取り組める小学生向けの英語学習のモデル授業が行われました。担当の森先生の熱心な様子に凄く熱意を感じました。また、
私(神谷)が議会質問で提案した電子ボードの活用が早速進められていたので嬉しく思いました。
続いては小中連携で英語教育を進めることの大切さを講演していただきました。
これも私が以前から吹田の小中連携の柱にしたいと訴えてきたことなので、強い賛同の気持ちで拝聴しました。
2部では、情報モラル教育の提案やICTの活用、TV会議システムの活用などが発表され、
会場の先生方も聞き入っていらっしゃいました!こうしたテーマを取り上げて研究されるのは次代の流れにそった良い取り組みですね。
C分科会
言語力育成ー「国語力・表現力を柱に」研究学校・学研からー
国語力・表現力を柱に子どもたちのコミュニケーション力を向上させようというのがひとつのテーマに掲げられていました。
市立山田第三小学校の研究テーマによれば、コミュニケーション力の不足によるトラブル、
つまりは何か主張する際に言葉ではなく暴力を行使してしまう子どもがいること、また、
自己表現が苦手で人間関係を上手に築けない子どもがいること、それらの問題を「ことばの力」で解決しよう、というものです。
パネルシアター、研究学校の報告・新指導要領に基づいた授業提案という全プログラムを通して、柱となる国語力・表現力」
を効果的に身につけられるような授業作りが提示されていました。視覚で理解する授業、一貫した系統的な授業計画、
電子黒板という最新の道具を用いた授業…どれも創意工夫に満ちていて、先生方の熱意や努力が感じられる発表でした。
D分科会
保育・授業のユニバーサルデザイン(誰もがわかりやすい方法)
を考える
今回、私は保育、授業のユニバーサルデザインがテーマの教育の発表を聞いて来ました。全体としては、
よりよい幼稚園教育の具体的な実践と小学校教育における様々な分野の研究の発表と問題への対処方法の提案が主な内容でした。
その中でも、特に私が興味を持ったのは、幼稚園教育です。私は、保育園出身なので、幼稚園教育を体験したことがありません。以前は、
幼稚園や保育園で学ぶ最も大切なことは集団生活が1番の大きな柱だと、先入観で思っていました。
しかし、実際は幼稚園の先生方が子ども達みんなで何かを決める時に、どうしたら上手に進行できて、みんなが自分の意見をちゃんと言えるか、
深く考えていらして、先生方はとても熱心でした。
また、今まで“教育”というと小学校から中学校、高校とつながっていくものだと思っていましたが、集団生活をきちんと、
ある程度守れるようにし、幼稚園のころから人間としての大切な基本的なルールを理解することが重要だと思いました。
子どもの教育は幼稚園教育から始まるのではないかと私はこの研究大会を通じて思いました。
E分科会
生徒指導ー「ネットによるいじめをなくすために」
今回は生徒指導に関する公演を聞いたわけですが、生徒指導のなかでも主にインターネット、携帯電話の使用に関して警察官、教育委員会、
教員、PTA、企業(ドコモ)といった立場からの意見を聴きました。
前半講演された警察官の方の話では、警察は犯罪の予防や軽犯罪の防止を主目的として動いているとのことでありますが、
子供にとって有害なものには違法でないもの(グロテスクな画像など)が多く、なかなか介入できないということを言っておられました。また、
子供の携帯にはフィルタリングの機能がつけられるのですが、親がこの機能を外してしまい、
そこからネットのトラブルに巻き込まれてしまうということも指摘しておられました。
後半は「吹田市における携帯・ネット上のトラブルの現状と課題」ということで、
教育関係者のパネルディスカッションが行われました。報告によると、携帯の所有の低年齢化はかなり進行しており、所有率は中一で50%、
小二で18%となっていました。また、携帯依存率もかなり高く、高一で1日平均3時間以上携帯を使うヒトは32.6%でした。また、
若い年代の間ではメール三分間ルールなるものが存在し、三分以内に返信しないとイジメられたりということもあるようです。
これらの意見に対して吹田市のPTAの会長が、親が責任をもって子供を教育するべきであるという解決策を提示していました。また、
大阪府としては学校への携帯の持ち込みに規制をかける方針で対応するとしていました。
私見としては、やはり家族による教育により、これらの問題を克服してもたいたいと思います。
インターン生コメント
私は『言語力育成~「国語力・表現力を柱に」研究学校・学研から~』という分科会を聞きに行きました。
学研学校図書館部の先生によるパネルシアター、研究学校で取り組まれている試みの報告、新たな指導要領を意識した模擬授業、
電子黒板など最先端の道具の紹介など、非常に密度の濃い発表でした。教師間の情報交換がさかんで、
それによる切磋琢磨が実に素晴らしいなと感じ、このように教育に熱心な吹田市の学校に通う子どもたちは幸せだと思いました(吉本)
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今回は生徒指導、特にインターネットでのイジメやトラブルに関することに対しての様々な立場からの意見・報告を聞きました。
中でもPTAの方が、子供の携帯などの使い方に関して親が責任をもって指導・監督する必要があると言っていたのが深く印象に残りました。
これから携帯の規制することではなく、むしろ携帯の使い方を学校でも教育すればよいと考えています。(清野)
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吹田の先生方は生徒により質の高い授業を提供しようという向上心がとても強いんだと感じました。私が参加した分科会は、
各教科のモデル授業の提案などが行われていました。どの授業も受けてみたいと思うような内容ばかりで、
吹田の子どもたちが羨ましくなりました(橋本)
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今日は吹田市の教育研究大会に参加させていただきました。学校の先生方が日頃の教育政策やさまざまな問題の対処方法などを発表し、
提案する場でした。
私は、幼稚園と小学校の先生方の発表を聞かせていただきました。
テーマは誰にでもわかりやすいユニバーサルデザインの授業をというものでした。
やはり一人一人違う子どもの能力や個性をどうしたら上手に伸ばすことができるのか試行錯誤を重ねた先生方の発表はとても熱いものでした!!
(新海)
神谷コメント
今年で3年連続の参加となったが、初回と比べれば比較にならないほど内容が充実してきていると感じた。また、
私の参加した分科会でもそうであったが、若い先生方が中心に発表しておられ、教育界も世代交代が起こっているのだと再認識した。
ここ数年で団塊の世代が大量退職し現場の先生方の平均年齢が一気に下がっていく。この点は、少し心配もしていたが、今回の大会に参加し、
心配するより期待した方が良いのかもしれないと思えた。
毎年いうコメントだが、このような大会は他の市にはないものなので、今後も存続させ吹田の教育の「誇り」
となるよう更なる向上に努めていただきたいと思う。
また、現場の先生方がこうして頑張っておられる様子が、多くの市民の方に伝わり、
吹田の学校への期待と信頼の向上に繋がることを願ってやまない。